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平成23年第1回定例議会 施政方針

最終更新日:
 本日、平成23年第1回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位にはご健勝にてご出席を賜り厚くお礼を申し上げます。

 開会にあたり、市政運営についての所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じますとともに、平成23年度当初予算案等の概要についてご説明申し上げます。

 さて、昨年の国際社会を振り返ってみますと、世界金融危機に端を発する経済の低迷が依然長引く中、ギリシャで財政状況の悪化が表面化したことにより、その影響はユーロ経済圏に止まらず、世界各国の平均株価が軒並み下落するなど、世界経済にさらなる大きな打撃を与えることとなりました。

 我が国経済においても株価の低迷、円高による輸出の鈍化など、激動の一年でありました。

 雲仙市といたしましては、通常予算に計上した事業に加えて、国の緊急総合経済対策に歩調を合わせ、去る1月の市議会臨時会において可決いただきました補正予算等、各種の緊急対策に取り組み、地域経済の活性化に努めているところであります。

 このような中、内閣府の1月の月例経済報告によりますと、「景気は足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる」と7か月ぶりに景気の基調判断について上方修正をされたところでございます。

 また、国内政治に目を向けてみますと、皆様ご承知のとおり、民主党政権が誕生し、1年数か月が経過いたしましたが、いわゆる「衆参ねじれ国会」が生じるなど、国政を取り巻く状況はめまぐるしく変化をいたしております。

 国の内外の問題は、否が応でも私たち地方自治体にも影響を与えますが、先ずは生活者としての住民に一番身近に接する行政体であるということを常に念頭におき、市としてできる施策を進めていく必要があります。

 政府は、「地域主権改革」などの政策を掲げられており、国の姿、国と地方との関係が大きく転換しようとしている中、本市は合併6年目を迎えたところでございますが、平成23年度は市政運営の基本としております「雲仙市総合計画」の前期基本計画の最終年度となり、当初予算編成におきましては、一般財源ベースで2億円程度の「総合計画特別推進枠」を設定するなど、総合計画に掲載しております数値目標等の達成に努めるとともに、市の将来像「豊かな大地・輝く海と ふれあう人々で築く たくましい郷土」の着実な実現を図ってまいります。

 なお、雲仙市総合計画については、10か年間の「基本構想」と5か年間の「基本計画」で構成しておりますが、23年度中に、24年度から28年度まで後期5か年間の基本計画を策定することとしております。

 計画の策定においては、雲仙市総合計画審議会を設置して、ご意見をいただくほか、市民アンケートの実施、各種団体との意見交換会やパブリックコメントを実施するなど、市民皆様のご意見を十分に反映した計画にしてまいります。

 また、引き続き「市民が主役」「市民総参加」を旨として、情報公開を進め、「ともに高めあう雲仙市」を目指し、市民皆様の市政への参画を促進してまいりますとともに、厳しい環境ではございますが、将来を見据え、雲仙市が持続的な発展を続けられるよう、それぞれの知恵や経験を活用しながら地域競争力を高め、活発で明るい自治体を目指して、「選択と集中」のもと、スピード感を持って、積極的に頑張ってまいりたいと存じます。

 それでは、以上のような姿勢を基本としながら、新年度に取り組む主な事業等について、「雲仙市総合計画」の6つの基本方針に沿って、ご説明いたします。


1.みんなでつくるまちづくり

【庁舎建設について】

 庁舎建設につきましては、昨年3月にいただきました庁舎建設市民懇話会からの答申について、庁内ワーキンググループにおいて検討を行い、先般その検討結果について報告を受け、私といたしましても、引き続き熟慮を重ねてまいりましたが、今議会において、その方向性について、ご報告させていただきます。

 まず、本庁職員が全て収容され、本庁機能が一つとなる、いわゆる「新庁舎の建設」は、合併特例措置期間終了後の一般財源の大幅な縮減等が確実な中で、今後の財政運営に係る負担が大変大きく、建設事業費等を大幅に縮減しなければならず、市民生活に大きな影響がでることが懸念されます。また、逆に、新たな施設整備を全く行なわない場合は、本庁機能の更なる分散化により対応する以外に方法がなく、この場合、事務効率の低下などから、複雑化する行政課題への迅速な対応が困難となるなど、行政機能の低下とともに、市民の利便性等も低下することなどが懸念されますことから、どちらも選択すべきではないと判断いたしました。

 そのうえで、現在使用している吾妻庁舎、千々石庁舎を引き続き活用するとともに、管理部門等の機能を集約した小規模な庁舎を新たに愛野町に建設するか、または吾妻町ふるさと会館及び吾妻庁舎別館などに収容されている部局等を収容するための庁舎を吾妻庁舎に増築する方法のいずれかを選択するべきであると判断したところでございます。

 この場合、愛野町に小規模庁舎を建設するよりも、必要な施設を吾妻庁舎に増築した方が財政負担はより少なく、市民の皆様への影響も少ないと思われることや本庁機能の集約などの面から、私としましては、吾妻庁舎に増築して整備することを選択したいと考えております。

 ただし、吾妻庁舎を本庁とする場合、雲仙市の事務所の位置を定める条例の改正が必要となりますので、今後、議会におかれましても、十分ご議論いただいたうえで、ご意見をまとめていただきますよう、お願い申し上げるものであります。

 いわば新市と市民の皆様との約束ともいえる合併協定において、新市の基本的理念とされた「新庁舎の建設」につきましては、合併協議における最大の課題の一つであり、種々議論を重ねられ、合併協議会において調整が行なわれた結果として、その重みは重々承知しております。

 私も就任以来、一貫して合併協定を尊重する旨、答弁してまいりましたが、新市の首長、議会の判断に委ねられた合併協定、及び庁舎建設市民懇話会の答申、並びに現在そして将来の行財政運営と市民サービスなどについて、市民の皆様から負託を受けた市長として、総合的に検討した結果、断腸の思いで判断したところであります。

 議員各位並びに市民の皆様のご理解をお願い申し上げます。

【男女共同参画社会の実現について】
 市におきましては、「雲仙市男女共同参画計画」に基づき、「男女が互いを認め合い、尊重し、協力し合うまち 雲仙市」を目指して推進しております各種施策の進捗状況を踏まえ、現在、第3期雲仙市男女共同参画懇話会において、次期計画策定に向けての提言のため、ご協議いただいているところであります。

 平成23年度におきましては、6月の男女共同参画週間に「男女共同参画一言メッセージ」を募集するとともに、引き続き出前講座や講演会を開催するなど各種啓発活動を通じて、男女共同参画の重要性をより多くの市民皆様にご理解いただけるよう努めてまいります。

 また、各種審議会等の女性委員の登用を積極的に推進するほか、男女共同参画を進めるための連携体制の構築にも取り組んでまいります。

【くらしの便利帳の発行について】
 市役所窓口での届け出や各種手続きなど、市民の皆様に必要な行政サービス情報を一冊にまとめた「くらしの便利帳」を平成23年度に発行いたします。

 この「くらしの便利帳」につきましては、合併当初に発行いたしておりましたが、その後、機構改革や制度改正等により、市役所窓口の各種手続き方法の変更などが行われていることから、今回、新たな便利帳を発行し、行政サービス情報を市民の皆様にお知らせすることにより、更なる市民サービスの向上に努めてまいります。

【広報等による行政情報の提供について】
 市政情報の広報等につきましては、市の広報紙やホームページ、行政無線による音声広報、ほっとあっと雲仙など、あらゆる広報媒体により行政情報の提供を行い、市民の皆様との情報の共有を進めますとともに、市内外への積極的な情報発信に努めているところであります。

 特に、市のホームページにつきましては、本年2月1日にリニューアルを行い、「市の情報」「暮らしの情報」「観光情報」などのジャンルごとにトップページをつくるなど、全体的なデザインを新しくするとともに、アンケート機能や地図表示機能などを設け、ホームページをご覧になる皆様がより利用しやすいよう改修したところでございますが、今後更に内容の充実を図ってまいります。

【効率的で健全な行財政運営について】
 現今の厳しい社会経済情勢の中にあって、雲仙市の将来のまちづくりを進めていくためには、産業振興、交流人口の拡大などの施策を積極的に進めるとともに、受益者負担の適正化、未利用財産の活用などによる財源の確保に努め、将来的に持続可能な行財政基盤を確立する必要があり、同時に更なる事業の選択と集中、事業手法の工夫等継続的な行財政改革を進め、効率的で健全な行財政運営を図っていかなければなりません。

 平成23年度は、24年度から28年度までの5か年を期間とする「第2期中期財政計画」を策定することとしておりますが、合併特例期間終了後の財政運営を安定的なものとすることを最優先の課題と捉えながら、その策定に取り組んでまいる所存でございます。

 また、全国的な社会経済情勢の変化に加え、合併後の変革期にあって、地域における行政ニーズに迅速かつ的確に対応できるよう、22年度中に策定いたします「第2次雲仙市行政改革大綱」に基づき、“雲仙市の将来あるべき健全な姿”を目指し、23年度から27年度までの5年間において、行政改革を強力に推進してまいります。

【参加と協働のまちづくりについて】
 市内では、自治会や地域おこし・まちづくり団体、NPO・ボランティア団体等の各種団体において、市民提案事業補助金や地域づくり補助金、地域自立活動創出補助金等の各種補助金を活用され、様々な活動が主体的に行われております。    

 市といたしましては、まちづくりの主役である市民の皆様が積極的に実施されます、これらの市民協働のまちづくり事業に対し、平成23年度も引き続き支援するとともに、情報やアイデア等の提供を行うことで、各種団体の自立支援を進めてまいります。

 特に、23年度は、地域づくり補助金制度の補助対象を地域活性化事業への取り組みにも拡大し、行政と自治会や各種団体等が共に連携、協働する市民参画のまちづくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。

【納税奨励金と自治会活動について】
 納税組合活動の主要財源であります納税奨励金につきましては、口座振替制度などの収納形態の変遷や、給与所得者の特別徴収を交付対象としていないため不均衡が生じていることなどから、廃止の方向で検討しており、平成23年度中に、自治会活動をより活発化させるための新たな制度の創設と併せて検討してまいります。

 なお、各納税組合には内容をご説明申し上げ、ご理解をいただきながら進めてまいりたいと存じます。

【納税通知書の郵送とコンビニ納税について】
 納税通知書につきましては、これまで納税組合長を通じ納税者の皆様にお届けしておりましたが、個人情報の保護や経費縮減のため、平成23年度から全ての税について、納税義務者の皆様へ直接、郵送することといたします。

 また、税の収納率向上と納税の利便性向上を図るため、口座振替の推進のほか、新たに、コンビニエンスストアでの納付ができるよう、現在、島原半島3市が共同で取り組んでいるところでございますが、23年度から軽自動車税のコンビニ納付を開始し、24年度以降、固定資産税、住民税、国保税の3税に拡大してまいります。

 さらに、23年度から給与支払報告書、償却資産及び法人住民税の電子申告を、本格的に運用してまいります。

【公共料金口座振替システム導入事業について】
 庁舎等の公共施設の電気料金・電話料金等の支払事務につきましては、公共料金口座振替システムを導入し、昨年11月より運用を開始しております。

 これまで施設を管理する各担当課において、毎月伝票の起票処理をしておりましたが、現在、電気料金と電話料金について、各課での伝票の起票はほぼなくなっており、また、会計課におきましても支出伝票の減少により、当初の目的でありました支払事務コストの削減、及び支払の遅延防止が図られているところであります。

 今後は、水道料金の口座振替への移行を急ぎ、電気・電話・水道の公共料金振替が可能となった時点で、再度、事務処理の方法を精査し、一層の事務の効率化を図ってまいりたいと考えております。

2.快適で住みよい暮らしづくり

【雲仙市の景観まちづくりについて】

 行政や市民、事業者が連携し、雲仙市らしい良好な景観形成によるまちづくりの実現を図ること、更に、その景観資産を活かした観光の振興や雲仙市全体の活性化に繋げていくことを目的として、現在、「雲仙市景観計画」の策定を進めております。

 この計画は、本市の景観まちづくりの基本的考えを明確化するとともに、景観施策推進のため、必要な事項を定めようとするもので、景観づくりの基本的考え方のほか、良好な景観の形成のための取り組みの内容、市民活動への支援・制度の充実の方針などを掲載することとしております。

 平成23年度は、市民皆様と共に、ワークショップ等を開催し、どのような景観に対する施策が必要なのか、また、景観資源を活かしたまちづくりのあり方について、検討してまいります。

【交通体系の整備について】
 島原半島におきましては、モータリゼーションの発達、人口減少や少子高齢化の進行、高速道路の値下げなどによりまして、バス、鉄道、フェリー、タクシー等、地域公共交通を取り巻く環境は、ますます厳しい状況となっております。

 市といたしましては、平成21年度から島鉄バスとの協働により、障害のある方や高齢者、学生などの交通弱者をはじめ、利用者にとりまして、路線バスが利用しやすくなるよう、バス停上屋の整備を実施しておりますが、更なる利便性・安全性の向上と利用者拡大を図るため、先般の市議会臨時会において前倒し計上いたしました補正予算等により、引き続き整備を進めてまいります。

 また、23年度には、市民の皆様の生活交通の確保を目的として策定いたしました「地域公共交通総合連携計画」の見直しを行い、市内の公共交通空白地域における交通手段の確保など、更なる交通体系の整備を図ってまいります。

【循環型社会づくりの推進について】
 本市では、ごみをできるだけ出さない循環型社会の実現を目指し、リフューズ(発生抑制)、リデュース(排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)のいわゆる4Rの推進に取り組んでいるところでございますが、平成23年度は、小浜地区、南串山地区の焼却施設を解体し、ストックヤード(貯蔵施設)を建設するなど、更なるリサイクルの推進に取組むほか、市民の皆様から要望の多い、生ゴミ処理機器等購入費助成事業についても、引き続き実施してまいります。

 また、家庭から排出されるごみを、ごみステーションに出すことが困難な高齢者や障害のある方等の世帯を対象に、戸別にごみを収集する「高齢者等戸別収集支援事業」を23年度から新たに実施し、市民サービスの充実に努めてまいります。

 さらに、本市における地球温暖化対策として、22年度から導入し、大変多くの申請がございました、一般家庭等における太陽光発電施設の導入に対する助成事業を23年度も引き続き実施し、より一層のクリーンエネルギーの普及を推進してまいります。

【自然と共存する地域づくりについて】
 市道小浜仁田峠循環線につきましては、自然公園法の理念に則り、雲仙仁田峠地区の豊かな自然環境を保全し、国立公園の利用者に美しい自然を提供するため、平成22年4月1日から利用者にも「豊かな自然環境を維持するために実施する交通規制」への協力をお願いし、市道小浜仁田峠循環線利用適正化協議会において、環境保全協力金事業を実施しております。

 この事業の協力金額といたしましては、22年4月1日から23年1月31日までの間で、約930万円のご協力をいただいております。

 また、同じ期間における本路線の通行車両台数につきましては、約10万9千台で、濃霧や積雪、凍結による通行止めが多く発生したことなどの理由により、前年度同期と比較しますと約20%の減でございますが、移管前の20年度と比較した場合は、約20%の増となっております。

【雲仙市都市計画マスタープラン策定後の取組みについて】
 昨年8月に策定いたしました雲仙市都市計画マスタープランにつきましては、今後、マスタープランに掲載している「まちづくりの具現化の方策」に沿って取り組んでまいりますが、平成23年度は、都市計画の基礎資料となる都市計画基礎調査及び土地利用手法検討を予定しております。

 都市計画基礎調査につきましては、都市計画法第6条において概ね5年ごとに行うことと規定されており、都市政策の企画・立案及び都市計画の運用に資するため、都市の現況及び動向を把握するもので、また、土地利用手法検討につきましては、市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用誘導に関する具体的な方策の検討を行うものでございます。

 また、23年度は、緊急雇用創出事業を活用し、雇用拡大と併せて、屋外広告物の調査及び都市公園長寿命化計画の策定を実施してまいります。

 屋外広告物の調査につきましては、市内全域の屋外広告物の実態を調査し屋外広告物を適正に管理することで、地域の良好な景観の形成に努めますとともに、都市公園長寿命化計画の策定につきましては、適正な公園管理のために、市内5か所の都市公園の樹木調査及び施設の点検と改修計画を策定することにより、引き続き、市民憩いの場として安全で快適な公園利用ができるよう努めてまいります。

【安心・安全のまちづくりについて】
 昨年4月1日に、「雲仙市消費生活センター」を開設し、消費生活に関する相談体制の充実、啓発活動の強化を図ってまいりました。現在、市民の皆様からの相談件数は、前年度の2倍のペースで推移しており、中には、悪質商法や多重債務等、消費者トラブルに遭ったときの解決方法がわからないといった方が、まだまだたくさんいらっしゃるようですので、今後も継続的に啓発活動を実施し、消費者行政の推進に努めてまいります。

 防災対策につきましては、近年、世界各地において地震や台風などの大規模な自然災害が続発し、大きな被害をもたらしていることなどから、本市といたしましても、いつ発生するかわからない地震や異常気象による突発的な自然災害など、被害を最小限に抑えるため、防災関係機関との連携を図るとともに、当初平成24年度であった完了予定を前倒しして、22年度をもって市内全域の整備を完了しました防災行政無線を有効活用しながら、防災力の強化に取り組んでまいります。

 防犯対策につきましては、「雲仙市犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例」に基づき、昨年市内全域に結成されました「地域安全パトロール隊」など、防犯ボランティア団体や関係機関との連携を密にし、犯罪のない地域づくりに全力を注いでまいります。

 交通安全対策につきましては、市民の皆様に、交通安全の意識をより一層高めて頂く為、交通安全教育や普及啓発活動を効果的に推進するなど、安全にそして安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

 急傾斜地崩壊対策事業につきましては、地域住民の皆様の安心で安全な生活環境の改善を図るため、21年度から工事に着手しております、南串山地域の田ノ平波戸地区を、23年度も実施してまいりますが、未整備の危険個所につきましては、随時指定を行い、早急に対応を図ってまいりたいと考えております。

 また、河川改良事業につきましては、23年度に千々石日ノ田川、小浜小野河内川の2河川の整備事業を実施することとしております。

【交通網の整備について】
 市内を安全かつ快適に往来できる交通網の整備につきましては、市民の皆様の生活や産業の振興などを支える重要な施策の一つであります。

 特に、地域交通網の骨格をなす市道整備につきましては、平成22年3月31日現在で、改良率32.9%、舗装率86.1%であり、23年度におきましては、56路線の道路改良、道路維持舗装を行い、市道整備を推進してまいります。

【水道施設整備の推進について】
 市民の皆様に、安全・安心で低廉な水道水を安定的に供給するために、平成22年度より『水道ビジョン』及び『水道事業基本計画』に沿った事業を進めており、その一環として、愛野地区におきまして、行政人口の増加や水量不足及び水質悪化などの問題等により、新たな水源確保が急務であるため、国庫補助事業を活用して『愛野地区簡易水道統合整備事業』を実施しているところでございます。

 また、今後の簡易水道を統合するための変更認可計画の策定につきましては、千々石地区及び南串山地区で、24年度の事業着手を目標に、23年度に変更認可の取得を行いますとともに、吾妻川床地区におきまして、第2水源の確保に伴い、変更認可申請書の作成を実施してまいります。

 なお、老朽化施設の更新事業といたしましては、23年度も引き続き国見地区の簡易水道及び上水道を実施するとともに、小浜地区の上水道におきましても、同様に老朽化による配水管布設替工事を実施するほか、瑞穂地区における下水道整備事業に伴う水道配水管布設替工事等を、計画的に実施してまいります。

【下水処理施設整備の推進について】
 下水処理施設の整備につきましては、吾妻地区及び瑞穂地区の特定環境保全公共下水道事業を推進してまいります。

 吾妻地区におきましては、平成23年度は舗装工事を一部行い、瑞穂地区におきましては、下水道管渠工事を予定しているところでございますが、下水道整備に係る国の補助制度が国庫補助金から交付金制度に換わり、事業の見直し等により補助額が縮小されることが見込まれ、整備期間が延びることも懸念されるため、今後の国の動向を注視しながら、整備を図ってまいります。

 また、浄化槽市町村整備事業につきましては、吾妻及び瑞穂の中山間地区におきまして、整備を進めてまいりますとともに、それ以外の地区につきましては、個人設置型により浄化槽整備を進めてまいります。

 なお、下水道未整備地区の整備等につきましては、計画の見直し等を含め、23年度には、ご説明させていただきたいと考えております。

3.笑顔いっぱいの健康と福祉づくり

【国民健康保険事業について】

 国民健康保険事業につきましては、制度発足後50年が経過し、その間、社会構造は大きく変化し、被保険者数の減少、年金生活等無職者世帯の増加及び課税所得の低迷の中で、医療費は着実に増加傾向で推移しております。

 国民健康保険の財政運営は、ここ数年、財政調整基金を取り崩さなければ収支バランスが保たれない、きわめて厳しい運営を余儀なくされており、平成23年度当初予算におきましても、財政調整基金の残額のほとんどを繰り入れて、予算編成を行なっている状況でございます。

 この国保会計を健全化するためには、抜本的改革と徹底した歳出の抑制及び歳入の拡大が必要であり、特に病気の早期発見と予防対策の推進による医療費抑制とその財源を賄うための国・県交付金等の確保のほか、給付と負担の原則により、受益者負担であります国保税の収納率向上及び税率改正などにより、予算の確保に努めていくことが喫緊の課題であると考えております。

 また、国民健康保険制度全般に関わる広域的な問題に対しては、他の自治体との連携を密にし、市長会等を通じて、抜本的な制度改革を国や県に要望してまいります。

【健康な地域づくりについて】
 市民の皆様が心身ともに健やかで安心した生活を送っていただけるよう、平成23年度も引き続き、特定健診や保健指導などの生活習慣病対策事業などにより、病気の予防や重症化の予防を図ってまいりますとともに、受診率向上のため、健診体制の改善や周知活動に努めてまいります。

 また、こころの健康づくり事業につきましては、自殺予防対策として、22年度より実施しております「睡眠キャンペーン」に加え、23年度は、広く市民の皆様に自殺対策とこころの健康に関する理解を深めてもらうための講演会や市民向けの研修会を開催いたします。

 次に感染症対策につきましては、23年度の新規事業として、中学1年生から高校1年生の女子を対象に、子宮頸がんワクチンの予防接種を行なうよう計画するとともに、22年度より開始しております高齢者を対象にした肺炎球菌ワクチンの予防接種を始め、インフルエンザ予防対策等を引き続き実施し、健康被害を最小限にとどめてまいります。

 また、南島原市と雲仙市の2市で構成する雲仙・南島原保健組合が設置する「公立新小浜病院・老健おばま」につきましては、23年4月1日から、「医療法人社団苑田会」が指定管理者となり運営してまいります。引き続き、公立新小浜病院が、地域の皆様の安心・安全を守る中核病院としての役割を果たしていけるよう、保健組合の構成市として支援してまいります。

【地域福祉計画の策定について】
 「地域福祉計画」の策定につきましては、市内7地域における「地域座談会」の開催、福祉に関する市民アンケートによるニーズ調査の実施などにより、市民の皆様のご意見等をお伺いし、それらを反映したうえで、平成22年度中の計画策定にむけ、現在取り組んでいるところでございます。

 23年度におきましては、本計画の主旨・内容等を市民の皆様に周知いたしますとともに、市民の皆様のご協力とご参加のもと、「住みなれた地域で、だれもが安心して生活を送ることができる地域づくり」を目指し、計画の実現を図ることにより、市民の福祉の向上に努めてまいります。

【安心できる高齢社会の実現について】
 高齢者が、住みなれた地域で自立し、安心していきいきと暮らせる社会づくりを目的に、平成23年度におきましても、引き続き介護予防と包括的な生活支援に重点をおいた高齢者福祉施策を推進してまいります。

 介護予防事業では、要介護状態になる恐れのある高齢者の把握に努め、健康教育や健康相談をとおして高齢者の介護予防の実践と健康づくりを支援してまいりますとともに、高齢者の様々な相談に対しては、雲仙市地域包括支援センターの総合相談事業と連携を図りながら、市の「高齢者・障がい者相談窓口」において引き続き対応し、各種サービス等の調整を実施してまいります。

 また、高齢者の生きがい対策として、長年にわたり培われた豊富な経験や技能を生かし活動することができるよう設立されます「雲仙市シルバー人材センター(仮称)」の活動を支援し、高齢者の社会参加と就労支援を行ってまいります。

 さらに、一人暮らしや高齢者のみの世帯で援助が必要な方の支援として不安解消、安全確保、安否確認を目的とした「緊急通報体制整備事業」、配食サービスを行う「食の自立支援事業」、また新たに実施します「高齢者等戸別収集支援事業」では、ごみの収集と併せて安否確認も行ってまいります。

 なお、高齢者の社会活動の範囲を広めることを目的としてタクシー代の一部を助成する「高齢者交通費助成事業」等の高齢者福祉事業にも引き続き取り組んでまいります。

 また、災害時、緊急時などにひとり暮らしの高齢者等の世帯の救助等が迅速に対応できることを目的として、取り組んでおります「高齢者等安心安全確保事業(いのちのカプセル)」につきましては、自治会長、民生委員・児童委員の皆様を始め、関係機関の皆様のご理解とご協力をお願いし、23年4月以降に対象者の皆様へ配布したいと考えております。

【障がい者福祉の推進について】
 障がいのある人への支援につきましては、住みなれた地域で自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう、生活介護や就労支援など多様な障害福祉サービスに対する給付等の支援をはじめ、必要な情報提供を行う相談事業や、視覚障がい者や知的障がい者が円滑に外出できるよう移動支援事業等につきましても、引き続き実施してまいります。

 また、平成23年度から新たに、福祉事務所に手話通訳者を配置し、来庁者への手話通訳や市内、近隣市への手話通訳派遣等に取り組むとともに、引きこもりがちとなる聴覚や視覚に障がいのある人等への家庭訪問を行い、必要な情報提供や社会参加の促進に努めてまいります。

4.力強い産業と仕事づくり

【雲仙ブランドの確立と流通対策について】

 平成23年2月現在、『雲仙ブランド』の認定は19団体31品目が、また加工品を中心とした『うんぜん逸品』は21団体21品目が、それぞれ認定されております。

 23年度は、これら認定品目を中心に、一品でも多くの雲仙産品目が全国レベルで注目を浴びるよう、県内外をはじめ首都圏や大都市でのPR活動を更に推進するとともに、今後も積極的に、雲仙市内に存在する隠れた名品を掘り起こしたいと考えております。

 併せて、首都圏や大都市圏へのPR活動や販路拡大等につきましては、県との連携を強化し、可能な限り商談会や見本市に参加して、雲仙市の特産物のPRに努めますとともに、新商品開発やインターネットによる通信販売やカタログ販売などによる販路開拓について、雲仙市商工会との連携を強化し、共同して取り組んでまいります。

 また、昨年10月に福岡市にオープンした、アンテナショップ『キトラス』につきましては、店頭販売はもとより、アンテナショップ本来の目的である情報発信基地としての役目を十分に発揮させ、近い将来には、福岡市場や九州市場ばかりでなく東アジアへの窓口としての役目も期待しているところでございます。

【工事成績評定制度、優秀工事表彰制度について】
 工事成績評定制度につきましては、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律や公共工事の品質確保の促進に関する法律の施行に伴い、平成21年4月に工事検査室を新設し、工事検査体制を確立させるとともに、工事成績評定制度の試行導入を行い、22年度からは本格的に実施してまいったところでございます。

 23年度におきましては、22年度に新設しました優秀工事表彰制度に基づき、優秀な工事を施工した建設業者を対象に表彰する予定としており、今後とも、市発注工事の工事品質の確保と施工体制の適正化に努めてまいります。

【農林水産業の振興について】
 農林水産業を取り巻く国内外の状況、とりわけ関税の撤廃を目的としたTPP(環太平洋経済連携協定)への参加の是非については、国を二分した議論がなされておりますが、国は加入の方向で検討を進めるとともに、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)といった二国間の自由化交渉についても推進がなされている状況でございます。

 このような状況のなか、平成23年度から本格実施されます「農業者戸別所得補償制度」につきましては、稲作を対象に実施された22年度のモデル対策に、新たに畑作の麦・大豆を始めとした6品目を対象に加え、食料自給率の向上、農業経営の安定及び農業の多面的機能の維持を図るための施策として、実施されることとなっており、本市といたしましては、多くの農業者の皆様に本制度を最大限活用していただけるよう推進を図ってまいります。

 次に、畜産振興につきましては、引き続き「雲仙牛」のブランド化を推進することにより、地域内肉用牛生産農家の活性化と地域一貫生産体制の確立を図ってまいりますが、「和牛維新!地域で伸ばそう生産力 築こう豊かな食文化」の大会テーマのもと、24年10月に長崎県で開催されます第10回全国和牛能力共進会につきましては、プレ全共として、昨年10月に「ながさき牛づくり振興大会」が開催されたところでございます。

 すでに、本大会出品に向けた和牛の生産も始まり、更に気運が高まってきており、雲仙市といたしましても、関係機関と連携しながら本大会の成功に向け、取組を進めてまいります。

 次に、老朽化した雲仙市食肉センターに代わる近代的な食肉センターの建設に関しましては、事業実施主体を予定している肉畜生産者及び食肉業者で構成するワーキングループの「事業基本計画(案)」が、昨年12月6日に提示されましたが、国の補助事業採択等事業の推進に向けては多くの課題をクリアしなければならないことから、半島3市の連携を更に強化するとともに、関係機関と協議を重ね、実現に向けて最大限の努力を図ってまいります。

 次に、水産業の振興につきましては、水産物の安定的な水揚げと漁業者が安全に漁業活動のできる基盤づくりや漁業資源の安定確保を推進するため、引き続き稚魚稚貝の放流事業、後継者や担い手の育成・確保などの推進とともに、漁場及び増殖場の整備を推進し、漁場環境の積極的な保全を図ってまいります。

 次に、諌早湾干拓事業につきましては、地域防災と食糧生産向上のため、国家の一大プロジェクトとして半世紀にも渡る紆余曲折を経て、国自らが事業主体となって進めてきた事業であるにもかかわらず、昨年12月6日、福岡高等裁判所の5年間の常時開門を命ずる判決に国は上訴せず、判決が確定しております。

 地元への説明が一切ないまま結論が出されたことは、誠に遺憾であり、開門された場合、背後地の防災面の安全性や営農に与える影響などさまざまな懸念や課題が考えられることから、到底受け入れられるものではありません。

 本市としましては、今後も県をはじめ関係機関等と連携を取りながらこの問題に対し対応してまいります。

【農業基盤整備の推進について】
 雲仙市におきましては、農業経営規模の拡大や生産性の向上・営農の省力化・農地利用の流動化を促進させるために、土地基盤の整備促進を図っております。

 現在、国見の八斗木地区を平成23年度に、また、吾妻の山田原第2地区を24年度に、それぞれ採択に向けて国及び県と調整を行っているところであります。雲仙市内の農地の整備率は、22年3月末で、水田58.6%、畑20.4%であり、特に畑の整備率は県下平均よりやや低い状況にありますが、29年度には、畑の整備率の目標を25%程度とし、土地基盤整備の向上を図り、「足腰の強い農林業の確立」の実現に努めてまいります。

【企業誘致の推進と地場企業の育成について】
 企業誘致の推進につきましては、誘致のための優遇措置の充実を図り、食品加工製造業や機械・電気・電子部品製造業を中心に、積極的に企業側へアピールしてきたところであり、平成19年度から22年度まで、合計4企業が新たに雲仙市で事業展開を開始され、合せて126名の新規雇用が達成されております。

 市としましては、さらなる雇用の確保を図るため、訪問活動や企業誘致パンフレットの送付及びメールによる配信等を行い、新たな投資を考えておられる企業を発掘し、市内への設備投資に繋げてまいりたいと考えております。

 一方、地場企業の育成につきましては、優れた事業計画をもって新たに事業を起こしたい、又は、経営改革を行いたいという個人や中小企業を対象として、創業や経営改革に係る経費を助成する「雲仙夢トライアル事業」の継続と併せ、22年度から実施しております「農商工連携事業」につきましても、農林水産業者との連携による新たな事業に対して、引き続き支援し、新事業と雇用の創出を図ってまいります。

 さらに、雇用情勢の悪化に対処すべく、緊急的に雇用拡大、定住促進を図るため、業種に係わらず市内在住者の雇用拡大を行う事業者に対して奨励金を支給する「緊急雇用拡大奨励金支給事業」を22年度に引き続き実施し、雇用創出を図ってまいります。

【商工業支援対策について】
 市といたしましては、現今の厳しい経済情勢を市内商工業者に乗り切っていただくため、これまでに資金繰り対策として、新たな融資枠5億円の「雲仙市中小企業経営緊急安定化対策資金」の創設をはじめ、市内商工業者の活性化のため「雲仙ゆめみらい商品券発行事業」など緊急経済対策を実施してまいりました。

 さらに、平成23年度につきましては、緊急経済対策の一環としまして、1年限りではございますが、「住宅・店舗リフォーム緊急支援事業」を新たに創設し、市内建築関係事業者を中心に市内経済の活性化を図ることとしております。

 また、商工振興事業としまして、商工会が実施する「雲仙ゆめみらい商品券発行事業」や空き店舗の活用に係る家賃、改装費及びイベントなどへの助成を行う「商店街活性化推進事業」を22年度に引き続き実施するなど、商店街をはじめとした商工振興を図ってまいります。

5.新しい観光・交流による活力づくり

【国際交流事業について】

 平成19年5月に締結をいたしました、韓国求礼郡との姉妹結縁が締結から3年を経過いたしました。

 この間、市や市議会における交流はもとより、高校生による交流をはじめとした、さまざまな民間の交流等により、両市の活性化と友好関係の構築に努めてまいったところでございます。

 今後、より一層の円滑な交流事業の遂行を図るとともに、市民外国語講座等の開催や国際理解を深める取組みの推進と併せ、外国人観光客誘客の促進に繋げていくために、23年度に国際交流員を配置したいと考えております。

 また、23年度は、本市と求礼郡の中学生によるホームステイ等を通した交流事業を実施することで、中学生たちがお互いの文化や風習に触れながら、相互理解を進めることにより、国際感覚豊かな青少年の育成を図ってまいります。

【地域資源を活かした観光の振興について】
 ここ数年、経済の低迷が続き、新型インフルエンザや口蹄疫発生などのマイナス要因で多大な影響を被っている観光業界では、旅行控えや旅行単価の低下が今なお続いている状況でございます。平成22年の雲仙市における日帰り観光客数は、市のメインイベントである「モーモーフェスティバル」や「産業まつり“旬祭”」、「瑞穂特産品まつり」などを、口蹄疫等の影響により中止せざるを得なかったものの、昨年2月にオープンした足湯「ほっと ふっと 105」に、20万人以上の集客があったことにより、全体としては21年の観光客総数を上回ったものと見込んでおります。

 一方、宿泊客の動向は、22年の入湯税から判断いたしますと、対前年比4.3%程度の落ち込みを見込んでおり、大変厳しい状況となっております。

 23年度も観光関連事業にとって、引き続き厳しい状況が想定される中ではございますが、「聖域なき見直し」をテーマに、現在まで行ってきた観光事業やイベントの大胆な見直しを行い、集客力のないイベントや宿泊客増強に結びつかない事業はスクラップを行い、音楽祭やスポーツ合宿などの文化・スポーツ面を新しい切り口とした誘客活動を促進し、観光消費額の増大を目指してまいりたいと考えております。 

 また、島原半島3市で取組んでおります、修学旅行誘致につきましては、「島原半島ジオパーク」という教育素材をセールスツールとして、私自身のトップセールスを含めた誘致活動に積極的に取組みますとともに、外国人観光客誘致につきましては、昨年9月に3県5市で発足させた『東アジア誘客3県都市連携会議』の方針を基に、23年度も台湾、韓国、中国及び香港への誘客活動やトップセールスを継続してまいります。

 特に今年、中国では辛亥革命100周年にちなみ、様々な記念行事が開催される予定であり、こうした中、孫文の活動を生涯にわたり物心両面から支えた長崎県出身の梅屋庄吉がクローズアップされ、日中友好の証として注目されております。本市としましては、県が計画しております「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクトを推進するとともに、23年7月就航予定の大型フェリーによる上海と長崎市を結ぶ新航路を念頭におき、今まで以上に県との連携を強化しながら、7月から中国全土で放送される予定のドラマにおいて、本市がロケ予定地となっているチャンスを活かし、雲仙・小浜の温泉や雲仙地獄あるいは本市の「食」をアピールし、中国本土からの観光客誘致を図ってまいります。

6.明日を担う人づくりと誇りあるふるさとづくり

【健やかな子育て対策について】

 子どもを産みたいと思う人が理想どおり子どもを産み、次世代を担う子どもたちが健やかに成長し、すべての家庭が安心して子育てができる環境づくりを支援していくために、平成23年度におきましては、広く女性の方々から子育て支援に関する意見やアイデアをいただき、より安心して子育てができるよう「女性懇話会」を設置して、市民参加による子育て支援を推進してまいります。

 また、現在、小学校就学前の乳幼児を対象に受給者の医療費の一部助成を行う「福祉医療費支給事業」につきましては、子育て家庭の病院受診に係る経済的負担、支給申請に係る時間的負担を軽減するため、23年4月の診療分から、助成額を受給者に代わって医療機関が請求する「現物給付方式」を導入いたします。

 なお、24年4月の民間移管を目標に協議を進めております土黒保育所の民営化につきましては、移管先法人の公募を行い、現在、法人選定委員会で土黒保育所の経営を引き継ぐ最もふさわしい法人の選定に向け、審議をしていただいており、3月中に決定することとしております。

 23年度は、円滑な引継ぎを行うため、保護者・法人・市の三者による協議の場を設け、市と移管先法人の合同による引継保育の期間を確保するよう取り組んでまいります。

 次に、母子保健関係におきましては、妊婦一般健康診査の公費助成、赤ちゃん健康相談、乳幼児健診を実施するとともに、乳幼児の発達支援として関係機関と連携しながら研修会やケース検討会を開催するなどの母子保健事業を充実するほか、歯科保健事業として、乳幼児のむし歯対策にも努めてまいります。

 また、予防接種事業におきましては、定期予防接種に加え、22年度経済対策関連で実施しました、子どもの髄膜炎等を予防する「ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチン予防接種」を引き続き実施してまいります。

【雲仙市公立学校施設耐震化事業の推進について】
 小中学校施設の耐震化につきましては、雲仙市の将来を担う児童生徒の安全、安心な学校生活を確保するため、厳しい財政状況の中ではございますが、前倒しするよう見直しを行いました「雲仙市公立学校施設耐震化等事業計画」に沿いまして、平成24年度までに耐震化が完了するよう、事業の推進を図っております。

 22年度末の耐震化率は73.4%となっておりますが、23年度につきましては、耐震補強等実施設計を8校(校舎2棟、体育館6棟)、耐震補強工事を9校(校舎9棟、体育館6棟)実施することとしており、23年度末には89.4%となる見込みでございます。

【重要文化財旧鍋島家住宅長屋門ほか4棟保存修理事業について】
 旧鍋島家住宅長屋門ほか4棟保存修理事業につきましては、平成22年度に着工し、25年度までの4か年で完了するよう事業を進めているところでございますが、22年度には、長屋門、隠居棟の全解体及び主屋の一部(家政部)解体が終了し、23年度からは解体した建造物の復元工事に着手することとしております。

 また、旧鍋島家住宅の敷地が埋蔵文化財の包蔵地であることから、保存修理工事と並行して、埋蔵文化財の試掘調査を22年度、23年度の2か年で実施し、旧鍋島家住宅の建設当時の位置や規模及び敷地変遷の痕跡等を確認することになります。

 今回の保存修理事業は、島原半島唯一の国の重要文化財である建造物の大修理という、貴重な機会でもありますので、事業完了まで年1回は修理見学会を実施し、市内外に国の重要文化財である旧鍋島家住宅の存在感や文化財の重要性をPRするとともに、雲仙市の観光振興にも寄与したいと考えております。

【第69回国民体育大会開催に向けた組織の拡充について】
 平成26年に開催される「長崎がんばらんば国体」を3年後に控え、雲仙市においてはサッカー競技少年男子、ボクシング競技の開催の選定を受け、昨年6月に「第69回国民体育大会雲仙市準備委員会」を設立したところでございます。

 国体開催を3年後に控えた23年度は、準備委員会から実行委員会へと組織を拡充させ、市民総参加のもと、雲仙市の特性を活かすとともに、創意工夫を凝らし、雲仙市らしい魅力溢れる大会を目指して万全の体制を整えてまいります。

 また、国体開催に向けて、前年の25年にはリハーサル大会として、サッカー競技では、「第49回全国社会人サッカー選手権大会」が、またボクシング競技では、「第83回全日本アマチュアボクシング選手権大会」が、それぞれ開催されることが内定しております。

 なお、不足する施設については、早急に方向性を定めてまいりたいと考えておりますので、ご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。


【平成23年度当初予算案について】
 以上の取り組みを主な内容として編成しました平成23年度当初予算案は、一般会計269億7,472万円で、前年度に比べ、4.0%の増となっておりますが、財源不足を補てんするため、22年度と同様、財政調整基金4億円、減債基金10億円を取り崩して、収支の均衡を図っております。

 また、特別会計及び企業会計を含めた全会計合計は、382億9,420万1千円で、前年度に比べ、2.7%の増となっております。

 新年度の予算編成にあたりましては、少子高齢化の進展や生活保護の被保護者の増加などに伴う扶助費が増加して他の経費に影響を及ぼすなど、非常に厳しい状況でありますが、雲仙市総合計画の前期5か年の最終年度として、各分野の事業が着実に推進されるよう、事業の必要性、重要性を検討するとともに、厳しい経済情勢の中で、市民生活を支えるための施策を展開するため、効果的で効率的な事業執行となるように事業内容の精査や、財源の確保に努めたものであります。

 また、1月の臨時会で議決をいただいた、平成22年度第7回補正予算において、「地域活性化・きめ細かな交付金」等を活用した緊急経済対策として、総額で約12億円の事業量を確保したことで、平成23年度当初予算に計上した事業との隙間が埋まることから、切れ目のない振興策を実施することが可能となっており、地域の活性化に繋がるよう、その執行に全力を傾注してまいる所存でございます。

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