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国見町

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○百花台(ひゃっかだい)遺跡
■旧石器時代~奈良・平安時代(約3万年前~約1200年前)

全国的にも著名な旧石器時代の遺跡 
 県立百花台公園建設に伴って発掘調査が行われ、旧石器時代~縄文時代の遺物が大量に発見されています。その出土量は全国でもトップクラスで、雲仙山麓で生活していた古代人の様子が良く判ります。特に旧石器時代の「ナイフ形石器」や「台形石器」と呼ばれる黒曜石製の石器は、旧石器時代の研究や当時の人々の生活を知るために欠かせない出土品です。

 現在は公園として整備されていますが、その地中には今も古代の遺跡が眠っています。
百花台遺跡出土のナイフ形石器
 百花台遺跡出土のナイフ形石器
百花台遺跡出土の台形石器
百花台遺跡出土の台形石器

○五万長者(ごまんちょうじゃ)遺跡
■奈良・平安時代(約1200年前)

古代寺院の跡か 
 五万長者遺跡は、古くは江戸時代から多くの古瓦が出土することが知られています。奈良時代の「肥前国(ひぜんのくに)高来郡(たかくのこおり)」の代表的な寺院跡と考えられ、これまでの調査で、建物の基礎部分の一部と考えられる版築遺構や多くの古瓦・土器が発見されています。
 軒瓦表面に施されている唐草(からくさ)文様や蓮華(れんげ)文様は、大宰府に築造された観世音寺跡から出土する古瓦と類似しており、奈良時代、国見町多比良に住んでいた豪族と大宰府との強い絆を物語る出土品です。
 長崎県内で奈良時代の瓦が発見されているのは「壱岐嶋分寺」と「五万長者遺跡」のみで、今後、寺の建物本体の発見が期待されます。遺跡発見の軒丸瓦
 遺跡発見の軒丸瓦
遺跡発見の軒平瓦(個人蔵)
遺跡発見の軒平瓦(個人蔵)

○鬼の岩屋
■古墳時代後半・高下(こうげ)古墳(約1500年前)

古墳時代後期の古墳(県指定史跡) 
昭和33年(1958)に九州大学を中心として調査が行われ、古墳時代後期の豪族のお墓であることが判明しました。横穴式(よこあなしき)石室(せきしつ)と呼ばれる構造で、内部の床面(ゆかめん)には3体分の遺体と副葬品が残されていました。
 金銅製の馬具(ばぐ)や勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)・銅心の耳飾(みみかざり)(金環・銀環)などの装身具類、太刀や鉄鏃などの武器類が遺体とともに埋葬されていました。豪族が生前身に付けていたものでしょうか。現在は石室を覆う盛土はほとんど流失してしまい、石室の正面が大きく口を開けています。まさしく「鬼の住む家」=「鬼の岩屋」に見えますね。出土した装飾品や馬具
 出土した装飾品や馬具
現在の古墳の様子
現在の古墳の様子

【参考文献】
○『高下古墳調査報告』
  国見町教育委員会(1959)

○『百花台広域公園建設に伴う埋蔵文化財緊急発掘調査報告書』長崎県文化財調査報告書第92集
  長崎県教育委員会(1988)

○『県道国見雲仙線改良工事に伴う埋蔵文化財緊急発掘調査報告書』長崎県文化財調査報告書第116集
  長崎県教育委員会(1994)

○『長崎県の文化財』
  長崎県教育委員会(2001)

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