平成19年3月定例議会 施政方針
本日ここに、平成19年第1回定例市議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚くお礼を申し上げます。

開会にあたり、市政運営についての所信を申し述べますとともに、平成19年度当初予算案について、その概要をご説明申し上げます。

私は市長に就任以来、市民の皆様とともに合併によって新たに誕生したこの雲仙市を世界に誇れるまちにすること、を基本的な方針として、市政運営に努めているところでございます。このため、市内各地で移動市長室を開催するなど、時間の許す限り、市民の皆様に直接お会いしてご意見を伺い、市政に反映させようと努めております。

今後の市政運営の基本方針となる「雲仙市総合計画」については、このたびその案をとりまとめ、今議会に提案しているところでございますが、その策定にあたりましても、総合計画審議会及び地域審議会の委員の皆様のご意見はもとより、市民懇話会やパブリックコメントなどを通じて、幅広く市民の皆様からご意見をお寄せいただき、計画(案)に反映させたところでございます。

策定にあたり貴重なご意見を賜りました皆様に厚くお礼を申し上げる次第であります。

総合計画は「基本構想」及び「基本計画」で構成し、基本構想は本市の長期的な発展方向やその実現のための基本方針を示したもので、その期間は平成19年度から平成28年度までの10年間としております。基本計画は基本構想に掲げた将来像を実現するため、基本方針に沿って取り組む根幹的な施策や事業概要を示すもので、その期間は基本構想期間の前期となる平成19年度から平成23年度までの5年間としております。

計画では、本市が目指す将来像として、「豊かな大地・輝く海と ふれあう人々で築く たくましい郷土」を掲げ、将来像実現のテーマを「雲仙・山麓「食」「遊」「快」のくにづくり」とし、これを実現させるため、

1.みんなでつくるまちづくり
2.快適で住みよい暮らしづくり
3.笑顔いっぱいの健康と福祉づくり
4.力強い産業と仕事づくり
5.新しい観光・交流による活力づくり
6.明日を担う人づくりと誇りあるふるさとづくり

の6つの基本方針を定めて、それぞれの基本方針に沿って取り組む22の政策と51の主要施策及び主要事業の概要をお示しいたしております。

また、これらの事業による成果については、できるだけわかりやすい数値目標を掲げることとし、100の数値目標を設定いたしました。この数値目標については、毎年その進捗管理を行ってまいります。

また、総合計画策定にあたりましては、財政的にも実現可能な計画とするため、その策定に合わせて財政計画の策定も進めてまいりましたが、先般、総合計画の前期基本計画の期間である平成19年度から平成23年度までを計画期間とする「雲仙市中期財政計画」を策定し、公表いたしました。計画期間は5年間といたしておりますが、その策定にあたりましては、本市の歳入が大きく依存しております普通交付税の合併特例措置(合併算定替え)終了後の平成33年度までの長期財政見通しを立て、特例措置終了後も本市が財政的に存続可能であることを目指しました。

今後の財政運営にあたりましては、この中期財政計画を基本とし、従来以上に行政コストの縮減に努めるとともに、市経済の活性化や市民生活の向上に向け、より効率的・効果的な事業への重点化を進めてまいります。

それでは、これらの計画の初年度にあたる平成19年度の主な取り組みについて、総合計画(案)の基本方針に沿ってご説明いたします。

1.みんなでつくるまちづくり

【市民憲章について】
「雲仙市市民憲章」については、去る1月29日、市民憲章起草委員会から最終案の報告を受け、次のとおり制定いたしました。


雲仙市市民憲章

美しい雲仙岳、恵み豊かな有明海と橘湾、悠久の歴史にはぐくまれた雲仙市。
わたしたちは、市民としての誇りと責任を持ち、互いに手をたずさえて、未来に羽ばたくまちを築きます。

一 水と緑を大切にし 心やすらぐまちを愛します
一 文化と伝統を生かし こころ豊かな人を育てます
一 思いやりと感謝の心で 笑顔の輪を広げます
一 人と自然を調和させ 活気あふれる産業の発展に努めます
一 きまりを守り 安心して暮らせる平和なまちをつくります
 

今後、この市民憲章を市の施設へ掲示するとともに、自治公民館や各家庭などにも配布し、市民の皆様に愛される憲章として普及啓発を図ってまいります。


【男女共同参画計画の策定について】
男女共同参画社会の実現については、21世紀のわが国社会を決定する最重要課題と位置づけられており、本市においてもその実現を図るため、男女共同参画懇話会を設置し、男女共同参画社会の実現のための解決すべき課題や問題点等について諮問していたところでございますが、去る2月23日に懇話会から提言書が提出されました。

平成19年度は、この提言等をもとに、本市の男女共同参画を推進するための指針となる「男女共同参画計画」を策定いたします。

【市民提案事業補助制度について】
冒頭にも申し上げましたが、誕生間もない雲仙市を世界に誇れるまちとするには、市民の皆様の市政への参加が不可欠であり、積極的に市民協働をすすめてまいりたいと考えております。このため、平成19年度には、市民の皆様の自主的・自発的な活動に対して助成を行う「市民提案事業補助制度」を創設することとし、個人市民税の1%相当額の関係予算を計上いたしております。

地域や社会の課題解決につながる公益的な事業等で、先進性や先駆性のある事業、新しい視点からの工夫やアイデアがある事業などをご提案いただき、ご提案いただいた事業のうち市が助成すべき事業の選択にあたっても市民の皆様のご意見を反映させることといたしております。

2.快適で住みよい暮らしづくり

3.笑顔いっぱいの健康と福祉づくり

4.力強い産業と仕事づくり

5.新しい観光・交流による活力づくり

6.明日を担う人づくりと誇りあるふるさとづくり

【健やかな子育て対策について】
児童福祉については、急速な少子化の進行を踏まえ、引き続き、次代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境の整備を図ってまいります。

特に平成19年度には、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減等を図る観点から、児童手当制度の支給金額を0歳以上3歳未満の児童に対して、月額5千円から1万円に引き上げ、制度の充実を図ってまいります。

また、仕事、育児の両立と地域の子育て支援のための環境を整備するため、新たに、子育ての援助を行いたい人と受けたい人が相互援助活動を行う「子育てサポートセンター事業」に取り組みます。

平成18年度に小学校4年生以下の兄・姉を持ち保育園に通う第3子以降の園児の保育料等を無料といたしましたが、平成19年度からは幼稚園についても、同様の保育料等免除に対して補助を行うこととして、保護者の経済的負担軽減の充実を図ってまいります。

児童虐待については、虐待という重大な権利侵害から子どもを守るため、「要保護児童対策地域協議会」を設置し、関係機関等との連携を行い、その未然防止・早期発見に努めてまいります。

【第33回全国育樹祭の開催地決定について】
平成21年秋に本県で開催される第33回全国育樹祭については、式典会場を雲仙市内に決定していただくよう長崎県に対し働きかけておりましたが、去る1月17日、長崎県から、お手入れ会場を雲仙市国見町「百花台森林公園」に、式典会場を雲仙市国見町「百花台公園」に決定したことが発表されました。

今後は、主催者の社団法人国土緑化推進機構及び長崎県とともに、育樹祭の成功に向け、最大限の努力を行ってまいります。




以上をもちまして、平成19年度の主要施策並びに当面する課題等についての説明を終わります。

今後とも、市民の皆様と対話を進め協調、協働して、更なる雲仙市発展に全力で取り組んでまいる所存でありますので議員各位をはじめ市民の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

【「いのち」の相談事業について】
現在全国的な社会問題になっております「いじめ」「不登校」「虐待」などの問題に対して、市民の皆様、特に子どもたちが、いつでも「助けて」の連絡ができる、「雲仙市『いのち』の相談事業」に取り組みます。

いじめ、不登校などで悩む児童・生徒や保護者の相談窓口として雲仙市教育相談電話「親子ホットライン」を、虐待や養護などの通報・相談窓口として雲仙市家庭児童相談電話「家庭ホットライン」を、それぞれフリーダイヤルで設置し、相談に対応できる体制を整えます。

2つのホットラインは互いに連携し、個々の相談に対して、きめ細やかな対応を図ってまいります。

【庁舎建設の方向性について】
新庁舎建設について、私は、以前から申し上げておりますとおり、合併協定を基本的に尊重する方針であり、庁舎建設のための基金を造成すべく、今議会に庁舎整備基金条例案と可能な限りの基金積立金を計上した補正予算案を提案いたしております。

しかしながら、先ほど述べました中期財政計画では、庁舎建設などの大型事業の実施にあたっては、継続事業や補助金等をはじめとした、さまざまな歳出との調整、即ち「選択と集中」を行わない限り、財政的に厳しい状況を招くとの結果になりました。

このため、平成19年度に「庁舎建設市民懇話会」を設置し、市民の皆様の率直なご意見をお聞かせいただいたうえで、議員の皆様とともに、この問題のより良い方向性について、引き続き検討を進めてまいりたいと存じます。

【行政改革の推進について】
限られた財源の中で、市民の皆様の多様なニーズに的確に対応していくためには、効果的・効率的な行政運営が必要であり、事務事業の見直しや組織機構の改革など徹底した行政改革が必要です。

本市の行政改革大綱については、そのあり方を諮問しておりました雲仙市行政改革推進委員会から昨年12月に答申書が提出されており、この答申書をもとに「雲仙市行政改革大綱」並びに大綱に基づく具体的な取り組みを示した「行政改革集中プラン」を策定することといたしております。

平成19年度からは、プランに掲げた項目の達成に向けて、全庁一丸となって取り組んでまいります。

【入札制度改革について】
入札制度改革については、昨年12月に入札制度検討委員会からご提言をいただき、この提言書をもとに慎重に検討してまいりましたが、公正な入札を確保するため、平成19年度から、1億円以上の工事に制限付一般競争入札を導入するとともに、入札監視委員会を設置することといたしました。

【下水処理施設整備の推進について】
平成14年度から整備を進めてまいりました瑞穂地区の特定環境保全公共下水道事業については、来る3月31日をもって一部供用開始することとし、現在その準備を進めているところでございます。また、千々石地区の公共下水道事業については、平成19年度におおむね整備を完了いたします。

今後は、平成18年度中に策定いたします本市全域の下水道事業全体計画に沿って、整備を進めてまいります。

また、下水道が整備された地域においては、生活環境の改善と公共用水域の水質保全及び豊かな自然環境を守る観点から、下水道への接続の必要性をPRし、加入率の向上を図ってまいります。

【安心、安全のまちづくりについて】
台風や豪雨、地震などの自然災害に関しては、近年、全国各地で大きな被害をもたらす災害が多発しており、昨年は、本市におきましても豪雨や台風による災害が発生しました。

このような中、市民が安心して生活を営むことができるまちづくりは喫緊の課題であると考えております。

このため、平成19年度には、自然災害の発生が予測される地点や被害の範囲、さらには避難経路及び避難場所などを地図上に表したハザードマップを作成し、市内全世帯に配布いたします。

また、災害や緊急時の情報を迅速かつ確実に市内全域に伝達するため、平成19年度以降、順次、防災行政無線の一元化事業に取り組むこととし、平成19年度は、現設備が最も古く、難聴地区も多い小浜地域の整備に取り組みます。なお、早期の整備を図るため、国の平成18年度補正予算に係る市町村合併推進体制整備費補助金を活用することとし、平成18年度の補正予算にも関連の予算を計上いたしております。

急傾斜地崩壊対策については、今後雲仙市の全体計画の見直しを行い、危険箇所については随時指定し、早急に対応を図っていく方針でありますが、平成19年度は、小浜地域の3地区及び愛野地域の1地区の急傾斜崩壊対策事業に取り組みます。

地震発生による住宅倒壊等の防止及び被害軽減を図るため、昭和56年以前に建てられた木造住宅を対象として耐震診断及び耐震改修工事を支援しておりますが、平成19年度も、引き続き支援することとし、安全・安心の住まいづくりの充実を図ります。

平成16年7月から一般市民にも使用が認められた自動体外式除細動器(AED)を本庁及び各支所などに設置し、職員にその使用方法を周知することにより、住民の救命率の向上に対応できる体制を整えます。

【交通網の整備について】
市の全域が均衡のとれた発展を遂げるには、市内を安全かつ快適に往来できる交通網の整備が必要であります。

市道の整備については、平成18年度までは主に旧町の継続事業を実施してまいりました。その結果、市道南串山京泊広畑線及び市道小浜金浜木場線が平成18年度に完成の運びとなるなど、旧町からの継続事業についてはおおかたの目処が立ってまいりました。

平成19年度からは、総合計画の前期基本計画に沿って、事業を推進してまいります。主なものとしましては、現在、愛野小浜バイパスを国に要望しているところでありますが、小浜町山領から千々石町木場までの国道57号線の迂回道路として、市道小浜山領木場線(仮称)の測量調査に着手いたします。

また、市道愛野前田丸山線については、地域高規格道路島原道路との連携を図ることにより将来的に愛野町を本市の交通の要とするため、その早期完成に向け、平成19年度に工事に着手いたします。

市道国見多比良土黒線浜田橋架替工事については、測量設計及び家屋調査等を終えたところであり、平成21年度完成に向け、平成19年度は一般通行用の仮設橋の設置と橋梁の下部工事に取り組みます。

市道整備の全体といたしましては、平成19年度は61路線の道路改良工事を予定いたしております。

【雲仙市交通体系の整備について】
本市の交通体系の整備については、平成18年度は、東京大学等の協力を得てデマンド方式の乗合タクシーなどを試験的に運行する雲仙市交通体系調査事業に取り組みました。平成19年度は、この調査結果も踏まえ、さらに合併によって生じた交通需要等の検討を行い、雲仙市にとって真に必要な交通体系の整備計画を作成してまいります。

なお、島原半島からの県営バス撤退に伴う平成19年4月からの市民の生活交通手段の確保については、島鉄バス及び市内タクシー事業者の協力を得て、国道幹線を島鉄バスにより、その他の支線を乗合タクシー運行により対応することとしており、現在、各事業者において、運行時刻などを掲載した時刻表を地域ごとに各世帯にお届けするよう準備されているところであります。

【高度情報化の推進について】
本市の情報通信基盤については、平成18年度に、「雲仙市情報ハイウェイ基盤施設整備事業」により、光ファイバによる高速回線網を構築いたしました。

平成19年度からは、この情報基盤を利用し、行政・防災・教育・産業などの各種情報を、各公共施設に設置した電光表示板や電子メールなどを通じて、市民の皆様にリアルタイムに提供するなど、高度情報化の推進を図ってまいります。

また、行政手続きの電子化など、市民の皆様の利便性の向上につながる電子自治体の実現を目指し、行政のネットワーク化、窓口業務のオンライン化・システム化に取り組みます。特に、現在、島原地域広域市町村圏組合で共同運用しております電算業務については、市民の利便性向上の観点から、見直しを行い、事務の改善を図ってまいります。

【自然と共存する地域づくりについて】
本市のかけがえのない豊かな自然環境を守り、次世代に引き継ぐための「自然と共存する地域づくり」については、EM菌を活用した生活排水の浄化対策や定期的な河川の水質調査、環境カレンダーの作成配布に引き続き取り組みますとともに、平成18年度に長崎県が実施しました硝酸性窒素に係る飲用井戸調査箇所の追跡調査を実施し、水を大切にした自然環境の保全促進を進めてまいります。

【定住対策について】
生活の質や豊かさ、多様な価値観が重視されるようになってきている今日、自然資源と環境に恵まれた地方は、健康的で人間らしい生活や新たな可能性を求める人々にとって、いわば「ニューフロンティア(新天地)」であります。

このため、今後は、地域の活性化に取り組む地方が、人口が過度に集中した都市から人々を呼び込む時代であり、大量退職を間近に控えた団塊の世代や再チャレンジを目指す若者などのUIターンが大きなうねりになる可能性があると考えております。

市といたしましては、「雲仙市空き家等情報登録制度」、「市長の手紙」、「雲仙暮らし体験ツアー」、「田舎暮らしフォーラム」、「ふるさと回帰フェア」など多種多様な方法によって積極的にPRし、本市へ1人でも多くの定住者を呼び込んでまいります。

【健康な地域づくりについて】
市民1人ひとりが日々、心身ともに健康で安心して生活を営み、誰もが健やかな人生を送ることができますよう、平成19年度も引き続き、各種検診事業、母子保健事業

生活習慣病対策事業、予防接種事業、国保ヘルスアップ事業等に取り組みます。

特に平成19年度は、平成20年度以降10年間の雲仙市民の健康づくり計画「健康雲仙21(仮称)」を策定いたします。市民の皆様とともに計画策定を進めることにより、市民1人ひとりが健康づくりに取り組むことの大切さを認識する機会とするとともに、健康づくりを推進していく上での市民、地域、職域、行政等の役割と連携を確認してまいりたいと存じます。

また、本市は乳幼児のう歯(むし歯)の罹病率が高い状況にあります。このため、平成19年度は、新たに「幼児歯科フッ化物塗布事業」として、1歳から3歳までの幼児を対象に、島原南高歯科医師会の協力を得て、フッ素の塗布を行ってまいります。

【安心できる高齢社会の実現について】
高齢者ができる限り要介護状態になることなく、健康な生活を送ることができますように、平成19年度も引き続き、介護予防や健康教育に努め、相談体制の充実を図るとともに、文化・地域活動など多様な社会活動への参加を促進するなど、高齢者の生きがい対策を推進してまいります。

【平等な社会の実現について】
すべての市民が地域社会の中で、ともに支えあい、ともに暮らしていくことができる平等な社会づくりのため、各種制度のもと、医療・教育・就労・施設整備などの幅広い分野で要援護者を支援し、自立と社会参加を促進してまいります。

【足腰の強い農林業の推進について】
足腰の強い農林業の推進については、ほ場整備、基幹農道、一般農道、農業用水などの農業生産基盤整備を引き続き推進いたしますとともに、諫早湾干拓地におきまして、生産性・収益性が高く、環境保全型の先進的な農業経営が定着しますよう、国や県と連携しながら、入植・増反者への情報提供や営農相談などに取り組んでまいります。

農業者の創意と工夫によりこれからの地域農業を牽引するビジネスの創出を推進するため、平成18年度に「提案型農業パワーアップ対策事業」を創設したところでございますが、平成19年度は新たに「提案型林業パワーアップ対策事業」及び「提案型水産業パワーアップ対策事業」を創設し、林業及び水産業における先進的な取り組みを支援してまいります。

また、農地や農業用水などの資源の良好な保全と質的向上を図るため、地域ぐるみによる効果の高い共同活動と、農業者ぐるみによる環境保全に向けた先進的な営農活動を一体的かつ総合的に支援する新たな対策といたしまして、「農地・水・環境保全向上対策事業」を平成19年度から実施してまいります。

農業担い手育成対策といたしましては、認定農業者の確保・育成強化のため、営農情報交換などにより資質の向上・経営基盤強化を図りますとともに農業後継者育成のため、先進地視察や各種研修会を支援してまいります。また、農地の流動化を促進し、担い手への集約化を図るとともに、農業機械の共同利用を進め、農業に取り組みやすい環境づくりを進めてまいります。

このほか、安心安全な産地づくりといたしまして、環境保全型農業の推進、耕畜連携による資源循環型農業の推進などに取り組んでまいります。

さらに、新規事業といたしまして、吾妻しいたけ生産組合の栽培施設建設事業及びながさき県酪農業協同組合の集乳施設建設事業に対しまして国の補助交付金を活用して支援してまいります。

【雲仙ブランドの確立について】
本市におきまして、農畜水産物を安心して安定的に生産していただくためには、ブランドが確立され、市場から継続的な需要があることが必要であり、このためには、本市の農畜水産物の品質などを積極的にアピールし、多くの人々にその特性を認識していただく必要があります。

市におきましては、平成18年度に雲仙ブランド認定委員会を設置し、優れた品質の農畜水産物について「雲仙ブランド」の推進を行っているところであり、平成19年度からは、本格的に販売戦略を展開しながら、観光産業との連携、特産品としてのPR、販売等に積極的に取り組み、生産から加工、流通、販売までの幅広い分野におけるアグリビジネスの創出につなげてまいります。

【豊かな水産業の振興について】
豊かな水産業の振興については、消費者に信頼される水産物の安定的な水揚げと、漁業者が安全に事業活動のできる基盤づくりを推進するため、漁場、増養殖場の整備を推進いたしますとともに漁場環境の積極的な保全を図ってまいります。

また、水産資源の維持増大のため栽培漁業や資源管理型漁業の定着を図りますとともに養殖業の推進に取り組みます。

さらに、水産業担い手育成対策におきましては、平成19年度は新たに「21世紀の漁業担い手確保推進事業」といたしまして、漁業への就業・定着の意欲と能力があると認められる者に対し、技術研修期間中の生活費や保険料、漁業資材等の購入費を助成しますとともに、漁協が実施する新規就業希望者等への中古漁船リース事業を支援してまいります。

【企業誘致の推進について】
企業誘致の推進については、平成18年度中に本市独自の奨励制度を創設することとしており、平成19年度からさらに積極的に企業誘致に取り組む所存であります。そのため、平成19年度には、地権者の意向等の調査を行い、業種別に適応した工場用地のリスト化や空き工場のリスト化を行い、早期操業を目指す企業等への対応態勢を整えるとともに、これらの情報や優遇制度等をパンフレットやホームページに掲載し、企業側へ積極的にアピールしてまいります。

また、長崎県企業振興・立地推進本部との連携を強め、企業誘致手法を学ぶとともに、企業からの照会等に適切に対応してまいります。

なお、吾妻工業団地における操業中の企業の規模拡大へ対応するため、同団地に防音壁を設置することとし、当初予算に調査費を計上いたしておりますが、工事費等については、調査結果を踏まえまして、平成19年度の補正予算に計上させていただきたいと存じております。

【地域提案型雇用創造促進事業(パッケージ事業)について】
本市が将来にわたって持続的に発展していくためには、行政や経済界が一体となって、「雇用の場や機会」を計画的に創造していくことが必要であり、農林水産業や観光産業の振興、企業誘致の推進による「雇用の場」の創出とともに、人材育成による「雇用の機会」の創出を進めていく必要があります。

このため、平成18年度に、本市の雇用創出に必要な人材育成策等について、財団法人ながさき地域政策研究所が国の委託を受けて実施した調査研究を踏まえ、市と地元経済団体で準備会を設置し、平成19年度からの具体的な事業実施に向け協議を進めてまいりましたが、平成19年4月にも、「雲仙市産業人材育成協議会」を発足させ、国の委託を受けて、体験型観光、農業振興、宿泊関連事業所、福祉関連事業所、企業誘致事業所の各分野におきまして、各種講習会等を開催できる見込みであります。

本事業を通じ、優秀な人材を育成して、雇用の創出につなげてまいりたいと存じます。

【地域資源を活かした観光の振興について】
観光は、農林水産業と並ぶ本市の基幹産業でありますが、観光客の減少傾向に歯止めがかからず、本市の発展にとって、いかに観光客を呼び込み交流人口を増やすかが大きな課題の1つになっています。

このため、平成19年度は、長崎県観光地づくり重点支援地区に認定された「雲仙温泉地区」と、健康増進をテーマとした長期滞在(ロングステイ)型観光の対象地域に選定された「小浜温泉地区」の魅力をさらに高めるとともに、全国棚田百選に選ばれた千々石町の岳地区棚田や、国見町神代小路の重要伝統的建造物群などの景観をPRし、島原半島全体にその波及効果を及ぼすことができる観光地づくりを3市一体となって目指してまいります。

また、長崎市や熊本市など他地域と連動した集客・誘客を図り、天草四郎をモチーフにしたキリシタン観光ルートの開発など広域的な観光ルートの開発などに取り組んでまいります。

これらの推進のため、雲仙市観光協議会の組織強化と事業の充実を支援するとともに、雲仙・小浜両観光協会とも連携して雲仙市全域の観光振興を図ってまいります。

また、今議会に関係条例を上程いたしておりますが、本市の観光振興を強化するため、高度の専門性を備えた人材を観光関連業界から期限を切って採用し、観光商工部に配置したいと考えております。

また、観光関係の補助金については、平成19年度から「観光振興事業補助金」として一本化した上で増額を図り、誘客効果などを踏まえて運用してまいります。

【地域間を結ぶ基幹交通網の整備促進について】
半島ゆえの地理的不便性を克服し『人・もの・情報』が自由に、また、活発に往来するためには、半島と他の地域を結ぶ基幹交通網の整備が必要であります。

島原半島地域の振興、活性化はもとより災害時における避難、救助、救援活動を支え、さらには観光客の交通の利便性向上を目指し、国、県と連帯した国道57号森山拡幅や地域高規格道路島原道路などの整備促進、島原・天草・長島架橋構想の実現に向けた推進運動を関係機関と共に推進してまいります。

【日韓親善ゴルフ大会の開催について】
昨年10月、韓国ソウル市において、長崎との関係の深い韓国の元国会議員等で構成されるハンナ会に対し、雲仙市でのゴルフ大会の開催をお願いしてまいりましたところ、同年12月、李大淳(イ デスン)ハンナ会会長のご来訪を受け、来る4月25日、雲仙ゴルフ場におきまして、日韓親善ゴルフ大会が開催されることとなりました。

大会は、日本、韓国双方の男女各30名、総数120名の参加を予定しており、両国の友好促進及び雲仙市の活性化につなげてまいりたいと考えております。

【雲仙市わがまち再生事業について】
交流人口を増やし、まちに賑わいを取り戻すためには、その地区特有の魅力が必要であります。

このため、平成19年度から、新たに「雲仙市わがまち再生事業」として、街なみ環境整備促進区域またはまちづくり協働基本計画が策定されている地区において、市民自らがわがまちを個性的で魅力あるまちにするために取り組む事業を支援してまいります。

平成19年度は、神代小路地区及び雲仙古湯地区において事業が計画されております。

【特色ある学校教育の推進について】
未来をたくましく生き、次代を担う人に育てていくため、子どもの個性や地域の特性を生かした特色ある教育活動を推進してまいります。

平成19年度は、指定研究校として小学校4校、中学校2校を指定し、児童・生徒の個々の能力や適正に応じた適切な学習指導方法等について実践的に研究し、その学校の教育の向上を図るとともに、研究の成果を市全体の学校へ波及させ、本市学校教育の振興を図ってまいります。

本市独自の取り組みであります小学校へのスクールサポーターの配置及び中学校への心の教育サポーターの配置については、学校現場からの評価も高く、その充実が望まれているところであります。そこで、2校に1人配置しておりましたスクールサポーターを平成19年度は全小学校に1人ずつ配置することとし、さらにきめ細やかな対応を図ってまいります。

外国語指導の補助等を行う外国語指導助手(ALT)については、平成19年度も引き続き5人を配置し、外国語によるコミュニケーション能力の向上や国際社会を生き抜く力の育成を目指します。

千々石町に建設を進めてまいりました「雲仙市南部学校給食センター(仮称)」は平成19年4月から本格稼動することになりますが、これに伴い本市全域で完全給食による本格的な学校給食がスタートすることになります。今後は、学校給食を通じた食育の推進はもとより、給食施設での地場産品の活用を進め、農水産物等の地産地消の推進にもつなげてまいります。

一方、北部地区の「瑞穂学校給食センター」及び「吾妻愛野学校給食センター」についてはいずれも施設が老朽化しており、加えて児童生徒の減少に伴い、給食数の減少が見込まれております。こうした状況を踏まえ、瑞穂学校給食センターを閉鎖し、吾妻愛野学校給食センターを改修した上で、「雲仙市北部地区学校給食センター(仮称)」として運営することといたしました。これにより、北部区域については「国見学校給食センター」と「雲仙市北部地区学校給食センター(仮称)」の2箇所で、また南部区域は、「雲仙市南部学校給食センター(仮称)」で運営することになります。

学校施設は、児童生徒の学習・生活の場であり豊かな人間性を育むための教育環境として重要な意義を持つとともに、災害時には地域の人々の応急避難場所としての役割をも果たします。このため、「雲仙市公立学校施設耐震化等事業計画書」を作成し、平成19年度から順次学校施設の耐震補強工事を進めることとし、平成19年度は2校(校舎3棟、屋内運動場2棟)の工事を行ってまいります。

【平成19年度当初予算(案)について】
以上の取り組みを主な内容として編成しました平成19年度当初予算の総額は、一般会計256億6,512万6千円で、前年度に比べ、7.2%の増となっております。また、特別会計及び企業会計を含めた全会計合計は443億3,334万6千円で、前年度に比べ、7.2%の増となっております。なお、一般会計におきましては、平成18度に引き続き多額の財源不足が見込まれたため、財政調整基金4億円、減債基金13億円を取り崩して不足額を補てんいたしております。

【物品調達にかかる不適切な事務処理等への対応について】
前定例会の最終日にご報告させていただきました雲仙市物品調達等外部調査委員会については、12月26日に第1回目の委員会開催後、1月9日から2月14日までにわたり、物品調達等に係る関係部署並びに納入業者等の公正かつ厳格な調査を行っていただきました。

その結果、去る2月23日、外部調査委員会から業者提出資料の不足もあり、必ずしも十分とは言えないが、各委員の専門的知識や経験を活かして独自の検査を実施した結果、本件の全体像や問題点について、第三者の立場から相当程度肉薄できたものと思料するとした上で、今後、不適正経理を防止するためには、“不適正を行う手法を規制する”だけではなく“不正を行う誘因を除去する”ことが必要である旨の報告をいただいたところであります。

今後は、この報告書を踏まえ、2度とこのような事態を招くことのないよう、固い決意で、再発防止策に取り組み、1日も早く市民の皆様の信頼を回復できますよう、全力を尽くしてまいりますので、どうかご理解いただきますようお願い申し上げます。

【島原鉄道南線の廃止について】
諫早駅から加津佐駅まで運行している島原鉄道のうち、島原外港駅〜加津佐駅間35.3キロメートルの部分について、平成20年3月末を目処に路線廃止する旨、島原鉄道株式会社が1月31日に記者発表いたしております。

島原鉄道の2005年度決算は営業収入22億2400万円、経常損益は1億7400万円の赤字、累積赤字は6億3900万円となっております。

今後、関係の南島原市、島原市、諫早市と協議を重ね、対応策を検討し、市民の生活交通手段の確保を図ってまいります。

【仁田循環自動車道の雲仙市移管について】
昨年9月に長崎県より、観光振興の観点から無料開放を前提として本市へ移管したい旨の申し入れがなされました仁田循環自動車道については、現在、市道として供用する場合の再整備費や維持管理費等の財源、また無料開放した場合の誘客効果などについて、県と協議を進めているところでございます。

【NHKのど自慢の開催について】
地域文化の振興や交流人口の増加及び市の活性化等を目的として、本市での開催をお願いしておりました「NHKのど自慢」については、NHK長崎放送局のご理解とご尽力により、本年10月28日、雲仙の勤労者体育センターを会場として、開催されることが決定いたしました。

この「NHKのど自慢」を通して、県内はもとより、全国に雲仙市をアピールしたいと考えております。