【Iターン】津村 義和さん
【活動拠点】瑞穂町(茨城からのIターン)
【活動内容】有機農業
埼玉県出身。大学院卒業後に茨城県内の企業に就職。2018年に瑞穂町に家族(妻、子ども2人(取材当時6歳と3歳))とともにIターン。現在は有機農業※で野菜を生産する農園を経営中。
有機農業で子どもに安全なものを食べさせたい
学生時代に細胞分子生物学を学び、茨城県で医薬品や農薬の安全性・毒性について研究・評価する仕事をしていました。
そんな中、長女が生まれたのをきっかけに、病気の時にだけ飲む医薬品よりも、毎日の食事の安全性がカラダづくりに重要だと感じるようになり、子どもに安全なものを食べさせたいと思い、有機農業を志すようになりました。
最初は週末に農家を訪れて農業の勉強をしていましたが、有機農業の魅力に触れるうちに本格的に就農を考えるようになり、移住することを決断しました。
雲仙市を知ったきっかけは、東京で行われた農業に関するイベントです。情報収集を目的に参加したのですが、市の新規就農の担当者が親身に相談に乗ってくれましたし、雲仙市が全国でも有数の農業が盛んな地域であることから、農業に適した土地であると思いました。
また、妻が雲仙市の隣の諫早市の出身であり、妻の両親も諫早市在住であることも決め手となりました。
移住の準備に要した期間は2年~3年くらいで、家探しにも1年くらい時間をかけました。これから移住を検討される方も、準備はしっかりしたほうがいいと思います。市役所のサポートも大きく、空き家バンクを利用した物件探しは大変助かりました。農家の古民家ですが、農機具などを置ける小屋もあり便利ですし、家賃も安くて広いので子どもたちが走り回っても大丈夫です。
行政の支援についても、住宅に関してはリフォームの補助金がありましたし、就農に向けての研修期間中や認定新規就農者への支援もあり活用することができました。
住んでいる地域はつながりが強く、自治会ではスポーツ大会や夏祭りなんかもやっています。そういった活動を通して人脈が広がるため、地域のいろいろなことを教えてもらえますし、同じ移住者の方とも知り合うことができます。このつながりがきっかけで、新しい畑を借りることもできたんですよ。
楽しみながら農業ができていることの喜び
有機農業にこだわり、露地で少量多品目で栽培しているのが私の農業の特徴です。手間はかかりますが、その分、安全・安心でおいしいものを作ることができています。
栽培している野菜には種採り野菜※も多く、土地の風土や気候を種が記憶しているため、雲仙の土地になじんだものになっています。
私が作った野菜の審査員は実は子どもたちで、子どもが食べない野菜は作らないようにしています。新鮮な野菜を食べるようになったためか、移住前はすぐに熱を出していた長女は体が丈夫になり、移住後に生まれた次女もほとんど病院に行ったことがないほど元気です。
子どもに安全なものを食べさせたいという、移住のきっかけとなった目標は達成でき、なにより私が農業を楽しみながらやれているので、雲仙市に移住して本当に良かったと思っています。
※有機農業:化学肥料や農薬の不使用、環境への負荷をできる限り低減する等の農業生産の方法を用いて行われる農業
※種採り野菜:自家採取した種を用いて作られた野菜。流通している野菜の1%にも満たないといわれている