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平成22年第1回定例議会 施政方針

最終更新日:
 本日ここに、平成22年第1回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚くお礼を申し上げます。

 開会にあたり、市政運営についての所信を申し述べますとともに、平成22年度当初予算案等について、その概要をご説明申し上げます。

 一昨年9月の米国リーマン・ショック以降、世界的な金融危機により、急激な景気後退を余儀なくされたわが国経済は、1月の月例経済報告によりますと、「景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」との基調判断が示されており、景気の二番底も懸念されております。

 そのため、国の平成21年度予算は、急激な国税収入の落ち込みにより、63年ぶりに国債発行額が税収を上回る「逆転現象」となりましたが、緊急経済対策として、第2次となる補正予算を編成され、先ごろ成立を見たところでございます。

 雲仙市といたしましては、昨年度から本年度まで、経済情勢等、市内の実情に鑑み、農漁業及び商工業に対する支援等を中心として、国の緊急経済対策と歩調を合わせながら、大変厳しい財政状況の中ではありますが、数次に亘る補正予算を編成し、各種の緊急対策を講じてまいったところであり、この補正予算に盛り込まれた、「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」につきましても、本市への交付予定額約5億2千万円を充当し、今議会に上程しております平成21年度補正予算案において、中小企業者への受注機会の拡大を図る事業等に総額約6億1千万円を計上しております。

 さて、皆様ご案内のとおり、昨年8月の衆議院議員総選挙の結果、誕生した鳩山内閣は、その基本方針として、中央集権体質や官僚依存の政治システムからの脱却を目指し、「本当の国民主権の実現」、「内容のともなった地域主権」を政策の2つの大きな柱に掲げられており、人口の減少が国家的スケールで進む中、国の姿、国と地方との関係が大きく変容しようとしております。

 そうした中、合併5年目を迎える本市におきましても、少子高齢化や環境問題への対応をはじめ、基幹産業である農林水産業や観光業など、地域産業の振興、雇用対策等々、本市に課せられた課題は山積しておりますが、地道な努力を続けることにより、活路を見出していかなければなりません。

 平成22年度におきましても、市政運営の基本としております「雲仙市総合計画」につきましては、市の将来像「豊かな大地・輝く海と ふれあう人々で築く たくましい郷土」の着実な実現に向け、22年度当初予算において、一般財源ベースで2億円程度の「総合計画特別推進枠」を設定するなど、総合計画に掲載しております数値目標等の達成に努めてまいります。

 また、引き続き「市民が主役」「市民総参加」を旨として、情報公開を進め、市民の皆様の市政への参画を促進してまいりますとともに、自治体間競争に打ち克ち、時代に即応した基礎自治体、地域コミュニティの形を創りあげるため、市民の皆様の暮らしを直接支える事業や将来の発展に向けて必要な事業等について、「選択と集中」のもと、スピード感を持って、積極的に実施する所存でございます。

 なお、「雲仙市総合計画」を実現するためには、市の組織体制を、施策の方向性に的確に対応させるとともに、責任と権限を明確にした組織体制へ再編することが必要であり、そのための組織改正を4月に行いたいと存じます。

 それでは、以上のような姿勢を基本としながら、新年度に取り組む主な事業等について、「雲仙市総合計画」の6つの基本方針に沿って、ご説明いたします。


1.みんなでつくるまちづくり

【男女共同参画社会の実現について】
 市におきましては、男女共同参画社会の実現に向けて、「雲仙市男女共同参画計画」に基づき、家庭、職場、地域等、あらゆる分野において「男女が互いを認め合い、尊重し、協力し合うまち 雲仙市」をめざしております。

 2月17日には、第2期雲仙市男女共同参画懇話会から提言書をいただいており、この提言書をもとに今後も男女共同参画を推進してまいります。

 なお、「出前講座」や男女の対等な関係を築くための「DV・デートDV防止講座」について、引き続き実施するほか、平成22年度におきましては、男女共同参画週間行事として「男女共同参画標語・川柳」を募集するなど、男女共同参画の必要性をより多くの市民皆さまに理解していただけるよう、推進してまいります。

【地域の振興について】
 みんなでつくるまちづくりを推進するため、市民の皆様が企画・提案から実施までを主体的に行い、市民の皆様の審査により採択事業を決定する「市民提案事業」、地域の発展に資する地域活性化事業及び人材育成事業等に対し支援を行う「地域づくり事業」、市内の地域資源を活かし、自ら考え実践し、自立した公益的な地域活動に対し積極的な支援を行う「地域自立活動創出事業」、及び住民のコミュニティ活動を助成する「コミュニティ助成事業」等により、平成22年度におきましても、引き続き地域のみなさまの活動を支援してまいります。

 また、本年度、総合的な視点から、地域の課題について市内7地域の地域審議会からいただきました提言につきましても、地域の皆様の貴重なご意見を踏まえ、平成22年度の新規又は拡充事業として、「農商工連携事業」や「商店街活性化推進事業」、「リサイクル推進事業」などの事業を平成22年度当初予算に計上いたしております。

 今後とも、雲仙市の均衡ある発展を目指し、地域の皆様の声をできる限り市政に反映してまいります。

【広報等による情報提供について】
 広報業務につきましては、昨年から戸別受信機を活用した、音声による広報事業を開始し、あまり広報紙などをご覧になれない市民の皆様に対しても確実に情報をお伝えできるよう、努めているところであります。

 市の広報紙やホームページにつきましては、迅速で正確な情報提供や情報公開を心がけながら取り組んでいるところであり、平成22年度におきましては、広報紙に市民の皆さまが登場するコーナーを新たに設けるなど、身近な情報を更にお届けするよう、企画するとともに、ホームページを全面的に改修し、ホームページをご覧になる皆様にとって、より分かりやすいものとなるように改善してまいります。

 市といたしましては、音声、インターネット、広報紙、及び携帯電話など、あらゆる広報媒体による情報提供を行い、市民の皆様との情報の共有を図るとともに、市民の皆様はもとより、県内・県外に向けた更なる情報発信に努めてまいります。

【滞納徴収の強化について】
 市税徴収につきましては、財源の確保および納税に係る不公平感をなくすため、滞納管理システムを活用して、刻々と変化する滞納状況を把握し、迅速で正確な事務処理を図っております。

 その他、徴収嘱託員を、現在の4名体制から、平成22年度は1名増員して5名体制へと拡充を図り、収納率の確保向上に努めてまいります。 

 また、滞納管理システムにつきましては、収納情報の一元化による効率化を図るため、税以外の徴収金についても活用するよう、引き続き検討してまいります。

【公共事業用地の取得・登記事務及び未登記物件の解消について】
 合併前の旧町において、道路改良工事等の施工時に登記を行っていなかったため、未だに道路部分等が個人名義の土地となっている箇所がございます。

 市としましては、この未登記地の解消に向け、約4,400筆の登記が完了しておりますが、事務の効率化を図りながら、平成22年度も引き続き、その解消に努めるとともに、公共事業用地の取得・登記事務につきましては、公共事業と共に推進してまいります。

2.快適で住みよい暮らしづくり

【地上デジタル放送に伴う難視聴地区の解消について】
 皆様ご案内のとおり、現在、国においては、従来のアナログテレビ放送よりも電波障害に強く、高音質な音声や多チャンネル放送・データ放送・双方向性機能がある地上デジタル放送事業を進めており、地上アナログ放送は、平成23年7月24日までに終了し、デジタル放送に完全移行となります。

 市といたしましては、テレビ放送の難視聴解消のため共同受信施設を設置している地域の組合に対し、地上デジタル放送を受信できるようにするために行なう、施設の改修費用の一部について、平成22年度、国の補助制度を活用して助成を行なうこととしております。

 また、地上デジタル化に伴い、「新たな難視聴地区」の認定を受け、テレビの共同受信施設を新たに設置する組合につきましても、現在、地元との協議・調整を進めているところでございます。

【安心・安全のまちづくりについて】
 昨今の消費者を取り巻く状況は、悪質な訪問販売や次々(つぎつぎ)販売など高齢者や若者を狙った悪質商法の増加、さらには、架空請求や多重債務問題などといった、深刻な消費者被害が相次いでおり、消費生活相談窓口にはこうした数多くの相談が寄せられているところでございます。

 こうした中、本市においては、消費者行政をはじめ、市民の安心・安全に関する業務を、昨年4月、新設した市民安全課に移管し、体制の整備を図ったところであります。

 平成22年度におきましては、全国消費生活情報ネットワーク《パイオネット》に加入し、全国の消費者被害情報を迅速に収集し、それらを効果的に活用することによって、消費者被害を未然に防ぐとともに、被害の拡大防止のために消費者教育や啓発活動に力を入れてまいります。

 また、更なる消費生活相談窓口の充実を図るため、本年4月に、「消費生活センター」を設置し、消費者行政の推進に努めてまいります。

 なお、火災や自然災害などに対処し、安心・安全なまちづくりを推進するため、平成19年度より実施してまいりました「防災行政無線統合整備事業」につきましては、国の緊急経済対策関連予算を活用して前倒しを行い、当初計画より2年早い、平成22年度をもって、市内全域の整備を完了させます。

 災害等の緊急時における情報の収集及び伝達等、より一層の防災体制の充実を図り、市民の皆様の生命財産、生活の安全確保に努めてまいります。

【循環型社会づくりの推進について】
 ごみをできるだけ出さない循環型社会の実現を目指し、引き続き雲仙市内の家庭から排出されるごみの量を一人1日当たり50グラム減量に取り組んでいただくことを目標に、リフューズ(発生抑制)、リデュース(排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)のいわゆる4Rの推進を行なってまいります。

 このため、平成22年度は、国見及び小浜地区にストックハウスを増設するなど、更なるリサイクルの推進に取り組むほか、市民の皆様からご要望が多い生ごみ処理機器等購入費助成事業についても、引き続き実施してまいります。

 また、地球温暖化による異常気象が問題となっている現在、本市における地球温暖化対策として、一般家庭等における太陽光発電施設の導入に対する助成事業を平成22年度に創設、より一層のクリーンエネルギーの普及を推進し、併せて、本年度、策定いたしました「太陽・大地・水の恵みあふれるエネルギーを活かしたまちづくり」を基本方針とする、本市の新エネルギービジョンに基づき、平成22年度には、その中の一部の事業について、実施の可能性等を詳細に掘り下げて研究を進めてまいります。

 雲仙市の自然の恵みは、この地域に住む私たちすべての生きる源であるとともに、広く国民と共有するものであり、次の世代へ引き継ぐべき大切な資源であります。

 地球温暖化、オゾン層や森林の破壊、野生生物などの絶滅危惧種が増加するなど、地球規模で自然環境が損なわれ後世に大きな影響を与えることがないよう、雲仙市の今後の環境施策の展開を示すものとして、環境都市宣言の準備を行ってまいります。

【地域で支えあうまちづくりについて】
 災害時におきましては、自助、共助を基本とした地域における支援が極めて重要であることから、市といたしましては、災害時要援護者の安心・安全を確保するため、「雲仙市災害時要援護者避難支援計画」に基づき、本年度市内7地域におきまして、要支援対象者の避難支援訓練を実施いたしているところでございます。

 ご協力をいただいております各地区自治会長を始め、自治会の皆様、また関係機関の皆様方に改めて感謝申し上げます。

 地域の皆様が、要支援対象者の方々の様々な状況に積極的かつスムーズに対応していただけるよう、平成22年度も引き続き、避難支援訓練を実施いたします。

 要支援対象者の方々の安心安全の更なる向上のため、市民の皆様には、ご理解とご協力をいただき、訓練への積極的なご参加をお願いいたします。

【雲仙市都市計画マスタープランの策定について】
 雲仙市都市計画マスタープランは、雲仙市の将来像「豊かな大地・輝く海と ふれあう人々で築く たくましい郷土」の実現を目指し、合併に対応した一体的なまちづくりの方向性を明確化するとともに、市全体の都市構造・土地利用などを考察し、総合的かつ長期的な観点から、まちづくりの計画を立てるものであります。

 都市計画マスタープランの策定にあたっては、平成18年度から基礎調査を行い、市民アンケート、市民の皆様によるワークショップを実施するとともに、関係部局の職員で構成する検討委員会及び市民代表や有識者で構成する策定委員会を開催してまいりましたが、本年度、計画の素案がまとまりますので、今後パブリックコメント、都市計画審議会への諮問を経て、平成22年度中に「雲仙市都市計画マスタープラン」を策定いたします。

【交通網の整備について】
 円滑な移動を確保する交通網の整備につきましては、市民の皆様の安全で快適な生活や産業の振興などを支える重要な施策であると考え、厳しい財政状況の中におきましても、一定の予算を確保しておりますが、特に、地域交通網の骨格をなす市道路線につきましては、合併前からの継続事業44路線のうち31路線がすでに完了し、継続事業の進捗率は80パーセント程度に達しております。

 平成22年度におきましても、年次計画に基づき、限られた事業費の中で最大の効果を得ることができるよう、地域の生活道路を始めとして、48路線の道路改良を行うこととしております。

 また、現在4名の市道の管理嘱託員を2名増員して6名体制とし、老朽化した道路施設の点検・パトロールなどを行い、市道の維持管理に努めてまいります。

【耐震・安心まちづくりについて】
 地震災害から市民の生命・財産を守るため、新耐震基準の施行前であります、昭和56年以前に建てられた建物を対象に、耐震性能確保についての情報提供や相談業務を行い、併せて、木造住宅の耐震診断の費用について助成をいたしておりますが、さらに平成22年度は、耐震基準に適合していない木造住宅の改修計画作成に掛かる費用及び不特定多数の人が利用する旅館、ホテルなど民間の特定建築物の耐震診断に掛かる費用の一部についても新たに助成を行い、建物の地震時の倒壊等による被害の軽減を図り、安全なまちづくりを推進します。

【水道施設整備の推進について】
 市民の皆様に、安全・安心で低廉な水道水を安定的に供給するため、平成20年度には、今後10年間を見通した水道に関する重点的な課題とその課題に対処するための方向性を明らかにする『水道ビジョン』を策定し、さらに、本年度は、この『水道ビジョン』を具現化するため『水道事業統合計画』を策定することとしており、平成22年度からは、この『水道ビジョン』及び『水道事業統合計画』に沿った事業を進めてまいります。

 その一環として、愛野地区において2つの給水区域を統合し、国庫補助事業を活用して整備を図るため、『愛野地区簡易水道統合整備事業』を平成22年度から5ヶ年計画で実施してまいります。

 また、今後の簡易水道を統合するための変更認可計画策定事業につきましては、平成22年度への継続事業として、千々石地区及び南串山地区の簡易水道について、変更認可を計画しており、水道未普及地区となっております千々石『岳』地区につきましても、その解消を図るため、この変更認可の中で計画することとしております。

 なお、老朽化施設の更新事業としましては、引き続き国見地区の簡易水道及び上水道を実施するとともに、小浜地区の上水道においても、同様に老朽化による配水管布設替工事を実施するほか、瑞穂地区における下水道整備に伴う水道配水管布設替工事等を計画的に実施してまいります。

【下水処理施設整備の推進について】
 生活環境の改善と公共用水域の水質保全を目的に進めております、下水処理施設の整備につきましては、平成22年度も本年度に引き続き、吾妻地区・瑞穂地区の特定環境保全公共下水道事業を推進してまいります。

 吾妻地区におきましては、平成23年度までに下水道管渠工事を完了し、その後は処理場の増設を予定しているところでございます。また、瑞穂地区におきましては、平成26年度までに下水道管渠工事を完了し、その後は吾妻地区と同様に、処理場の増設を予定しておりますが、下水道処理施設の整備につきましては、国の補助制度の見直しがあっておりますので、今後の国の動向等を注視してまいります。

 また、浄化槽市町村整備事業につきましては、吾妻・瑞穂の中山間地区におきまして、整備を進める一方、それ以外の地区につきましては、個人設置型により浄化槽整備を進めてまいります。

 なお、下水道が供用開始された地域におきましては、下水道整備の意義や早期接続の減免制度及び宅内改造資金の無利子融資制度等について、更にPRし、加入率の向上を図ってまいります。

3.笑顔いっぱいの健康と福祉づくり

【国民健康保険税について】
 国民健康保険事業の被保険者数は、少子高齢化等の影響により、年々減少傾向にあり、平成20年度においては、後期高齢者医療制度が創設されたことも重なったため、対前年度23.1パーセントの大幅な減となっております。

 また、全国的に被保険者の就業構造が大きく変化し、昭和40年の国民健康保険制度発足当初は、農林水産業とその他の自営業で被保険者全体の約70パーセントを占めていましたが、平成19年度においては、その割合は20パーセント弱へと減少する一方、年金生活等無職者の割合が6パーセントから55パーセントへと増加している状況でございます。 

 このような社会構造の変化のなか、雲仙市におきましても、医療費が5パーセント前後の伸びで推移する一方、デフレによる所得低迷が、国保税の減収と徴収率低下を招いた結果、基金を取り崩して、国民健康保険特別会計の収支バランスを保つという状況になっております。

 この間、市民皆様の税負担を出来うる限り少なくすることを第一義に基金の取り崩しで対応してまいりましたが、基金の残高も残り少ない状況となってきており、この国保会計を健全化するためには、病気の早期発見と予防対策の推進による医療費抑制とその財源を賄うための国、県交付金等の確保のほか、受益者負担であります国保税の収納率向上及び税率改正なども視野に入れた対策を研究し、予算の確保に努めていくことが緊急の課題であると考えております。

【健康な地域づくりについて】
 市民一人ひとりが、心身ともに健やかで安心した生活をおくることができるよう、平成22年度も引き続き、生活習慣病対策事業、心の健康づくり事業、地域医療の確保及び感染症予防対策等に取り組んでまいります。

 まず、生活習慣病対策といたしまして、特定健康診査をはじめ、各種がん検診、若年者健診等を実施するとともに、健診結果を活用した保健指導をさらに充実させ、発症予防や重症化の予防に努めてまいります。

 また、受診率向上を図るため、健診の周知活動にも努めてまいります。

 次に、健康的な地域づくりのために、健康教室の実施や食生活改善推進員の養成及び活動支援等により、健康の輪を広げてまいります。

 次に、感染症予防対策といたしまして、本年度と同様、新型インフルエンザ予防対策を中心に、感染症による健康被害を最小限にとどめるため、県や医師会等関係機関との連携・協力を進めるとともに、市の広報紙や自治会を通じて、予防の周知と情報の提供に努めてまいります。

 なお、雲仙市人口の約28パーセントを占める高齢者の皆様方の安全を図るため、平成22年度は、70歳以上の方を対象に「肺炎球菌ワクチン」の接種に係る費用の一部について、新規に助成を行うこととしております。この予防接種は、インフルエンザ予防接種との併用により、肺炎の予防や重症化予防に大きな効果があるといわれておりますので、従来から実施しておりますインフルエンザ予防接種とあわせて、肺炎球菌ワクチンの接種についても、周知を行ってまいります。

【地域福祉計画の策定について】
 近年、住民相互の社会的なつながりが希薄化し、相互扶助機能は弱体化するなど、地域社会が変容する中、安心で充実した生活が送れるような地域社会を基盤とした地域福祉の推進が求められております。

 市といたしましては、これまで高齢者や障がいのある方の福祉推進のための「高齢者福祉計画」、「障害者計画及び障害福祉計画」、並びに児童のすこやかな育成推進のための「次世代育成支援行動計画」を策定し、福祉の向上に努めているところでございますが、さらに、平成22年度におきましては、地域住民すべてで支える社会福祉の構築を目指し、「地域福祉計画」を策定いたします。計画策定にあたりましては、福祉に関する市民アンケートや地域座談会によるニーズ調査などを実施し、市民の皆様と一体となって進めてまいりたいと存じますので、ご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

【平等な社会の実現について】
 障がいのある人が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、平成22年度も引き続きホームヘルプサービス等の障害福祉サービス提供体制の整備に努めるとともに、人工透析や精神疾患など継続的に医療機関への受診が必要とされる人に対する支援を行ってまいります。

 また、障がいがあっても外へ出て、自分らしくいきいきと生活していくことができるよう、軽作業やレクレーションを行う「地域活動支援センター事業」、視覚障がい者や知的障がい者の外出支援を行う「移動支援事業」等につきましても継続して実施してまいります。

 聴覚に障がいがある人へのコミュニケーション支援として、手話通訳者及び要約筆記奉仕員の派遣を行なっておりますが、22年度におきましては、手話奉仕員養成講座を開催し、手話ボランティアの養成に取り組んでまいります。

 さらに、障がいのある人の社会参加と経済的な自立を支援するため、市と企業、福祉施設が一体となり、地域自立支援協議会就労部会において障がいのある人の雇用のきっかけづくりを行っております。

 今後とも、“障がいのある人もない人もいきいきと自分らしく輝いて暮らせるまちづくり”を目指し、障がいのある人の目線にたった支援策を充実してまいります。

【安心できる高齢社会の実現について】
 高齢者ができるだけ要介護状態になることなく、健康で生きがいをもった生活を送ることができるよう、健康教育や健康相談をとおして、介護予防や健康づくりに努めるとともに、高齢者の社会参加を促進するなど、高齢者の生きがい対策を推進してまいります。

 また、高齢者の様々な相談に対して、現在も本庁及び各総合支所において対応しているところでございますが、高齢者が安心して生活していただけるよう、相談体制をより充実するため、「高齢者の悩み事・困りごと相談窓口」の設置に向け、保健・医療・福祉・介護の連携を図ってまいります。

 さらに、一人暮らしや高齢者のみの世帯で援助が必要な方の不安解消、安全確保、安否確認を目的とした「緊急通報体制整備事業」、配食サービスを行う「食の自立支援事業」、タクシー代の一部を助成する「高齢者交通費助成事業」や敬老会助成事業等の高齢者福祉事業にも引き続き取り組んでまいります。

【最低生活の保障について】
 生活保護法におきましては、日本国憲法の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的に、生活保護を行うと定められております。

 福祉事務所におきましては、疾病や失業のため、生活に困窮する市民に対して、生活保護に関する相談に対応するとともに、生活扶助費の支給及び医療・介護の現物給付を行っており、今後とも要保護者の事情を客観的な立場で把握するとともに、公平な対応に心がけ、市民の皆様の健康で文化的な生活水準の確保に努めてまいります。

4.力強い産業と仕事づくり

【雲仙ブランドの確立と流通対策について】
 平成22年2月2日現在、『雲仙ブランド』の認定は17団体29品目、『うんぜん逸品』は21団体21品目が認定されておりますが、平成22年度につきましても引き続き、これら認定品目を中心に、県内外をはじめ、首都圏や大都市圏でのPR活動を推進しながら、認知度アップと販路拡大に取組んでまいります。

 本年10月、福岡市に開設する予定の、佐世保市・長崎市との共同事業である「アンテナショップ」につきましては、雲仙市の情報発信及び情報収集基地として最大限活用するとともに、雲仙市の安心で安全な農畜水産物や商工製品などの新たな販路開拓をはじめ、取引バイヤーとの販売ルートの確立を目指します。

 また、首都圏や大都市圏への販路拡大につきましては、県物産流通推進本部との連携を強化し、可能な限り商談会や見本市に出展し、PR活動を行ってまいります。

 その事始めとして、本年2月12日に長崎市内のホテルで開催した『第1回雲仙市食の商談会』には、九州各地のバイヤーはもとより、関東・関西の大手スーパーの仕入担当者や県内大手ホテル、結婚式場担当者など約150名の方に、ご来場いただきました。雲仙市側からは雲仙ブランドを中心に17業者が出店し、改めて、雲仙市内の生産物の良さを認識していただけたものと考えております。直接、生産者とバイヤーが接触できる機会を設けることで、新たなる販路が開かれることを期待いたしますとともに、市としましても最大限の支援を続けてまいります。

 次に、本年度から取組んでおります「雲仙市地産地消の店」につきましては、現在67店に加盟していただいておりますが、平成22年度は、加盟店のメリットを最大限に生かせるようなキャンペーンを行い、更に地元の生産物を地元で消費していただけるように努めてまいります。

 次に、昨年12月で第3回を迎えた『雲仙市産業まつり』は、市民に定着しつつあると考えておりますが、平成22年度も実行委員会を中心に、2回の開催が予定されており、市といたしましても、全面的に支援を行い、雲仙市の名物イベントに育成してまいります。

【入札制度及び工事成績評定制度について】
 市の入札制度につきましては、平成18年度の「入札制度検討委員会」の提言内容を基本として、社会情勢や市内経済の情勢等を踏まえ、適宜、出来うる対応を図っておりますが、一昨年の世界的経済不況に伴う金融危機や経済情勢の悪化などにより、建設業界等を取り巻く経営環境は非常に厳しい状況が続いており、更に公共工事のあり方も見直しが求められております。

 そのため、市といたしましては、市民の雇用確保を第一義としたうえで、市内営業所における市民の常勤雇用を3名以上とすることをはじめ、受注機会拡大のための一般競争入札の拡大、インターネットを活用しての関係書類の入手方法の改善等に取り組んでまいります。

 また、公共工事につきましては、地域の経済情勢にも大きく影響を及ぼすことから、市内企業の育成及び地域雇用の確保を図るため、現在、市内に本社のある企業に対し優先的に発注しておりますが、今後も引き続き雇用や地域経済に注視しながら、適宜研究し、より良い入札制度のあり方を確立できるよう努めてまいります。

 次に、工事成績評定制度につきましては、昨年4月、工事検査室を新設し、工事検査体制の確立と試行を行なってまいりましたが、試行の結果を踏まえ、本年4月からは本格的に工事成績評定を実施するとともに、工事施工における独自の創意工夫など、他の模範となるような優秀な工事を施工した建設業者を表彰する「優秀工事表彰制度」を平成22年度から導入し、市発注工事の品質確保と施工体制の適正化に努めてまいります。

【農林水産業の振興について】
 農業・農村を取り巻く国内外の事情が大きく変化している状況の中、平成22年度から実施される「米の戸別所得補償モデル事業」や「水田利活用自給力向上事業」が水田営農に大きく影響を及ぼすことが思量されますが、その推進に万全を期し、農家の所得向上に向けた取り組みを支援してまいります。

 また、意欲と能力のある担い手農家への農地集積を引き続き推進するとともに、集落機能の活性化や遊休農地の発生防止に効果のある中山間地域等直接支払制度の推進などにより、地域力と生産力を高める取り組みと併せて、昨年度から実施しております営農環境システム整備事業及び耕作放棄地解消事業を有意義に活用することで、農地の有効利用を促進してまいります。

 また、農林水産業の振興を目的に、市の単独事業として実施してまいりました「雲仙市農林水産ゆめみらい事業」につきましては、平成22年度から「雲仙市食のくにづくり支援事業」として再構築を行い、「新規就農者対策」や「農家のスキルアップ対策」、「農地の維持・改善対策」、「産地競争に強い取り組み」を支援してまいります。

 次に、畜産の振興につきましては、引き続き市内保留される雌子牛に対する支援及び雲仙市内で生産された肥育素牛の導入に対する支援を行うことにより、「雲仙牛」のブランド化を推進するとともに、地域内肉用牛生産農家の活性化と地域一貫生産体制の確立を図ってまいります。

 なお、平成24年に本県において「第10回全国和牛能力共進会」が開催されますが、本年10月には、プレ全共として、「ながさき牛づくり振興大会」が雲仙市にございます「県南家畜市場」で開催されますので、関係機関と連携しながら、本大会の成功に向け取り組みを進めてまいります。

 また、老朽化した雲仙市食肉センターに代わる近代的な食肉センターの建設に関しましては、事業実施主体者を予定している肉畜生産者及び食肉業者で構成するワーキンググループにおいて、現在、施設の構成や規模等について議論を行っており、本年5月を目途に、基本計画のたたき台が策定される予定でございます。

 次に、水産業の振興につきましては、稚魚稚貝の放流事業、後継者や担い手の育成・確保などを引き続き推進するとともに、水産物の安定的な水揚げと漁業者が安全に事業活動のできる基盤づくりを推進するため、漁場、増殖場の整備を推進し、漁場環境の積極的な保全を図ってまいります。

【農業基盤整備の推進について】
 農業経営の悪化や後継者不足に伴う耕作放棄地が増大する傾向にあるなか、基盤整備の促進による安定的な農業経営の向上を図ることを目的として、現在、国見町の八斗木地区と吾妻町の山田原2期地区におきまして、県営畑地帯総合整備事業(担い手育成型)を推進しております。

 市といたしましては、経営規模の拡大や生産性の向上・営農時間の省力化・集落全体の農地利用の流動化を促進させるため、土地改良施設分担金徴収条例施行規則の改正を行い、県営畑地帯総合整備事業(担い手育成型)に限定し、さらに実施期間を平成25年度新規採択地区までに限り、市内農業者の方々から要望の高かった、事業費に対する受益者負担割合を現行の10パーセントから5パーセントに軽減することとし、事業の加速的推進に努めてまいります。

 また、農地や農業用用排水路などの資源の良好な保全と質的向上を図るため、効果の高い共同活動を実施している活動組織への支援を目的とした「農地・水・環境保全向上対策事業」につきましては、平成19年度当初、14地区でありました活動組織も平成21年度は19地区へと拡大しており、今後も引き続き地域の共同活動を支援してまいります。

【企業誘致の推進と地場企業の育成及び雇用の創出・拡大について】
 企業誘致につきましては、平成19年度から平成21年度まで、合計4企業が新たに雲仙市での事業展開を開始され、合わせて124名の新規雇用が達成されたところでございます。

 現下の経済状況のもと、企業の設備投資は非常に冷え込んでいる状況が続いておりますが、新たな投資機会ととらえる企業を発掘するため、本市独自の奨励金制度をはじめ、企業誘致のための優遇措置の充実を図りながら、食品加工製造業や機械・電気・電子部品製造業を中心に、企業訪問や企業誘致パンフレットの送付等により、積極的に企業側へアピールし、市内への企業誘致を実現してまいる所存でございます。

 一方、地場企業の育成につきましては、平成20年度から優れた事業計画をもって新たに事業を起こしたい又は経営改革を行いたいという個人や中小企業を対象といたしまして、創業や経営改革に係る経費を助成する「雲仙夢トライアル事業」を実施しており、平成22年度につきましても引き続き本事業を実施してまいります。

 また、地場産業の育成と雇用創出を目的として、市内農林漁業者と中小企業者等、異業種間の連携による新たな事業に対して支援するため、平成22年度に「農商工連携事業」を創設し、産業の活性化と新事業の展開による雇用の創出を図ってまいります。

 さらに、現下の雇用情勢の悪化に対処するための緊急的な対策として、市内在住者の雇用拡大を行う市内事業者に対して奨励金の助成を行う、「緊急雇用拡大奨励金支給事業」を創設し、雇用の拡大と市内への定住促進、並びに障がいのある方や中高年齢者の雇用増大を図ってまいります。

【商工業支援対策及び振興対策について】
 米国サブプライムローン問題に端を発した世界的な経済不安は、急激な円高等、依然として厳しい金融情勢にあり、内需の低迷や就職内定者の取り消しなど深刻な問題となっております。

 市といたしましては、この厳しい経済情勢を市内商工業者に乗り切っていただくため、年末から年度末にかけての資金繰り対策として、新たに融資枠5億円の「雲仙市中小企業経営緊急安定化対策資金」を創設したところでございます。

 既に2月19日現在で、貸付件数50件、貸付額は4億7,500万円となっており、また県の制度資金である長崎県中小企業経営緊急安定化対策資金については、貸付件数38件、貸付額は3億3,600万円に達していると伺っております。

 これらの資金に係る利子及び保証料につきましては、本年度に引き続き平成22年度も助成を行い、支援を行ってまいります。

 次に、商工業振興対策といたしまして、平成22年度に「商店街活性化推進事業」を創設し、空き店舗の活用に係る家賃、改装費及びイベントなどへの助成を行い、商店街をはじめとした商工振興を図ってまいります。

5.新しい観光・交流による活力づくり

【地域資源を活かした観光の振興】
 平成20年の後半から始まった世界的な景気低迷、急激な円高、新型インフルエンザなどのマイナス要因が重なった観光業界では、観光客の旅行控えや旅行単価の低下が加速度的に進み、本市の観光関係業者に大きな打撃を与えている現状でございます。日帰り観光客数は、高速道路のETC割引、仁田峠有料道路の無料化や各種イベントの開催などで確実に増加しているものの、平成21年の入湯税から見た宿泊者総数は、対前年比8パーセント程度の落ち込みとなっております。

 平成22年度も大きく好転するような材料は乏しく、大変厳しい状況は続くものと思われますが、国も「雇用問題」「環境問題」と同様に「観光問題」も重点課題として捉えておりますので、市としましてもタイムリーな時期にタイムリーな施策を講じ、積極果敢に取組んでまいります。

 具体的には、島原半島ジオパークの世界ジオパーク認定を機に、島原市、南島原市との連携を更に強め、組織の見直しや半島全体の宣伝活動などを行ってまいります。さらに、昨年4月に国交省より指定を受けました「雲仙天草観光圏整備事業」につきましても、平成22年度から具体的な事業が動き出しますが、市といたしましても、このジオパークや観光圏整備事業を積極的に支援し、宿泊客の増加に努めてまいります。

 また、既に完成した日本一の足湯や、現在進めております棚畑展望台、小浜公会堂及び雲仙メモリアルホールの改修事業など、ハード面における観光素材は整いつつありますので、ソフト面におきましても、福岡市に開設するアンテナショップを基軸に、九州一円の観光客誘致や物産と連動した首都圏・大都市圏からの観光客誘致にも努力してまいります。

 次に、外国人観光客の誘致につきましては、県や県観光連盟との連携を深め、現地での誘致活動にも積極的に参加をして、雲仙市をアピールしてまいりますとともに、修学旅行の誘致につきましては、主に沖縄・関西・関東の中学校や高校を訪問し、昨年創設しました「修学旅行誘致促進事業補助金制度」の周知を図るとともに、体験学習やジオツアーなどを売り込み、誘致につなげていきたいと考えております。

【「長崎がんばらんば国体」の開催について】
 平成26年に、長崎県において開催されます第69回国民体育大会につきましては、大会愛称を「長崎がんばらんば国体」、大会スローガンを「君の夢、はばたけ今、ながさきから」と決定し、国体開催へ向けての気運が高められております。

 雲仙市におきましても、平成22年度の早い時期に「雲仙市準備委員会」を組織し、「長崎がんばらんば国体」の成功に向けて、支援体制を強化することとしております。

 この「長崎がんばらんば国体」では、監督・選手・観客を含めた総参加者が延べ90万人と見込まれており、参加者等の観光消費による経済波及効果は約105億円、施設整備・大会運営にかかる効果まで含めますと、全体で約505億円の経済波及効果があると推計されています。

 雲仙市におきましては、サッカー競技(少年男子)及びボクシング競技(全種目)の2競技が選定されておりますので、全国から集う選手や競技関係者を始め、観客の皆様に雲仙市の魅力に触れていただき、日本全国にその魅力を発信する絶好の機会であると考えており、この国体を契機にスポーツの振興を図るだけではなく、市民の皆様が様々な立場で参加する「市民総参加による国体」を目指してまいります。

6.明日を担う人づくりと誇りあるふるさとづくり

【健やかな子育て対策について】
 だれもが安心して子どもを産み、育てられる環境をつくり、また、将来の雲仙市を支え、まちづくりを担っていく子どもたちの健やかな成長を支援していくために、平成22年度におきまして、育児に自信がなく孤立している母親達の仲間づくりや、地域における子育て力を育み、コミュニティーの活性化を図るため、新たに「すこやか親育ちサポート事業」に取り組んでまいります。

 また、共働き家庭の子育て支援として、子育てサポートセンターにおいて援助活動ができるよう、協力会員の資質向上を図る「病児・病後児預かり等促進事業」も実施いたします。

 さらに、22年度に国の制度として創設されます「子ども手当」により、中学校修了までの児童を対象に、1人につき月額13,000円を支給し、子育てに掛かる経済的な負担の軽減を図り、子育て支援を推進してまいります。

 次に、母子保健事業におきましては、健やかな成長の手助けとして、従来から実施しております、赤ちゃん健康相談、乳幼児健診、歯科保健事業、予防接種事業の充実を図るとともに、22年度から、髄膜炎・敗血症・肺炎などの重篤な感染症を予防するため、「ヒブワクチン予防接種」を新たに実施してまいります。また、乳幼児健診で心身の発達が気になるお子さんを地域で見守ることができますよう、関係機関と連携して、発達支援の研修会を開催することとしております。

【公立学校施設耐震化事業の推進について】
 小中学校施設の耐震化につきましては、平成27年度の事業完了予定を3年間前倒しして、平成24年度までに耐震化が完了するよう「雲仙市公立学校施設耐震化等事業計画」の見直しを行ない、現在、計画に沿った耐震補強等の事業を進めております。

 厳しい財政状況の中ではございますが、雲仙市の将来を担う児童生徒の安全、安心な学校生活を確保するため、今後とも耐震化事業の推進を図っていきたいと考えております。

 平成22年度は、耐震補強実施設計を8校(校舎9棟、体育館6棟)、耐震補強工事を5校(校舎8棟、体育館4棟)実施することとしており、そのための事業費を当初予算案に計上させていただいております。

 なお、耐震化率につきましては、平成21年度末で61パーセントの予定でありますが、計画通り実施しますと平成22年度末には71パーセントとなる見込みでございます。

【スクールサポーター及び児童生徒サポートセンターについて】
 現在、市内小中学校28校への学習支援及び読書活動推進支援を目的に、スクールサポーターを1名ずつ配置しておりますが、平成22年度は、更に3名を増員し、一人だけでは対応が難しい学校に対して、複数のスクールサポーターを配置することで、子どもたちをとりまく課題や子どもが発する「サイン」の早期発見に努め、子どもたちの心の安定や学習意欲の向上、並びに読書習慣の確立などを図るため、支援の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

 また、心理的・情緒的原因等により登校できない児童生徒の学校復帰を目指し、平成22年度の新規の取り組みとして、学校教育課に「児童生徒サポートセンター」としての機能を付加し、センター事業を推進する「児童生徒サポーター(訪問指導員)」を1名配置いたします。

 この児童生徒サポーターは、本年8月から配置する予定でございますが、学校や外部機関との連携を図りながら、個別の訪問指導など直接的な支援を通して、自宅での引きこもり等の解消に向けた取り組みを進めてまいります。

【国の重要文化財 旧鍋島家住宅及び長屋門の修理・修復計画について】
 旧鍋島家住宅は、平成19年6月に国の重要文化財の指定を受けて、年間約1万5千人の入場者があっており、雲仙市の観光振興に寄与するとともに、次の世代へ引継いでいかなければならない、雲仙市の貴重な財産であります。

 また、旧鍋島家住宅のある雲仙市国見町の神代小路地区につきましても、平成17年7月に「国の重要伝統的建造物群保存地区」に選定されており、これまで地区住民の皆様からご理解を頂きながら、個人家屋等の修理・修景に対して助成をするなど、保存地区の景観維持を推進しているところでございます。

 今回、この地区の中核施設である旧鍋島家住宅が、文化庁から老朽化や白蟻被害等により、建物倒壊の危険性が高いと指導されたことから、平成21年度は地盤調査や耐震診断等を行い、平成22年度から平成25年度までの4ヵ年で整備を行うこととし、平成22年度に債務負担行為を設定して、旧鍋島家住宅の全体修理工事等を一括発注したいと考えております。

【雲仙市陸上競技場の建設について】
 雲仙市陸上競技場の建設につきましては、市民皆様が元気で健康な毎日を送っていただくために、子どもからお年寄りまでの生涯スポーツの振興を始め、幅広く、末長くご利用いただけるような、健康づくりや各種交流の拠点施設として、また、合併し、雲仙市となった後も、市内小中学生の陸上競技大会を開ける会場が市内になく、諫早市や島原市にある競技場を借用して開催する状況であることなどから、陸上競技のレベルアップを含め、小中学生の競技会はもとより市民の各種スポーツ大会の開催等、利便性を勘案し、何らかの施設を造るべく検討を続けてまいっておりました。

 今回、平成26年に開催される第69回長崎国体におけるサッカー競技の会場としても活用できれば、国体の開催のみに支援される県からの施設整備補助金等を施設の建設財源として充当できることから、陸上競技場の建設を計画したところでございます。

 ただ、この施設の建設については、市民の皆様を始め、市議会においても、諸々の議論があり、また、現在、基本設計について、市民皆様のご意見をお伺いしているところでありますので、さらに精査してまいります。

【平成22年度当初予算(案)及び平成21年度第9回補正予算(案)について】
 以上の取り組みを主な内容として編成しました平成22年度当初予算は、一般会計259億2,654万円で、前年度に比べ、2.6パーセントの増となっておりますが、21年度と同様、財政調整基金4億円、減債基金10億円を取り崩して、不足額を補てんいたしております。

 また、特別会計及び企業会計を含めた全会計合計は、372億7,793万4千円で、前年度に比べ、0.5パーセントの増となっております。

 なお、先の12月定例会におきまして報告しておりました7項目の重点施策に係る予算でございますが、まず、「雇用機会の創出」に約2億1千万円、「交通網の整備」に約12億9千万円、「安全・安心なまちづくりの推進」に約27億3千万円、「子育て支援」に約29億7千万円、「高齢者の介護予防や社会参加の促進」に約1億7千万円、「地産地消の更なる推進」に約1億円、「環境都市宣言」に約9千万円を計上し、全体で対前年度比8億2千万円の増としております。

 また、大型事業が平成21年度に完了したことなどから、当初予算において減額となりました「交通網の整備」につきましては、平成21年度第9回補正予算案に計上しております「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」関連事業において、約3億円を計上し、事業量を確保したところでございます。

 市としましては、平成21年度第9回補正予算及び平成22年度当初予算を一体のものとして、その執行に全力を傾注してまいります。


 以上をもちまして、平成22年度の主要施策等についての説明を終わります。


 議会のご同意をいただき、2月1日から就任いたしました町田、境川、両副市長をはじめ、職員一丸となって、雲仙市の更なる発展に全力で取り組んでまいる所存でありますので、議員各位をはじめ、市民の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

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