花き生産農家 野口 幸一さん =雲仙市瑞穂町=
心華やぐカーネーション/理想を追い求め精進中
◆日々観察し変化に気づく
1600坪の畑に咲き誇るカーネーション。「収穫時期は10月~6月。これから母の日にかけて忙しくなります」とにっこり。父の代からカーネーション生産を始め、幼いころから作業の様子を見てきた。4人兄弟の長男として育ち「家業は長男が継ぐもの」という雰囲気があり、幼いころから自然と農家を志した。
県立農業大学校で花き栽培について学び、卒業後は大阪市内にある花市場で1年間研修へ。22歳で雲仙市に戻り就農して17年目になる。
カーネーションは1本の茎に1つの花をつけるスタンダードタイプと、枝分かれした茎の先端に数輪の花がつくスプレータイプがあり2種類とも生産。現在24品種を手がけている。「幼いころは苗を植えれば咲くと思っていたが、実際は肥料の調整が必要でとても難しい。父の偉大さが分かりました」。花や茎のボリュームが大きく、たくさん咲く花が理想だが、なかなか思い通りにならない。理想を追及するのは大変だが、上手く作りたいとの思いは強くやりがいにもなっている。「花は話さないので、日々しっかり観察し小さな変化も気づくように心がけている。」ときには花作りの先輩でもある父に相談しながら、理想の花を作り売上にもつなげていきたい。
◆声かけあう温もりある地域
雲仙市は海や山の自然が素晴らしく、水もおいしい。県外へ出たことでその良さを改めて実感した。一方で地元の小学校がこの春に閉校になるなど少子高齢化が気になる。「この地域はみんな仲が良く、いつも声をかけてくれる。人は減ってもそこはずっと変わらないでほしい」。
4人の子どもに恵まれ、休日には百花台公園へ出かけたり、キャッチボールをしたりと親子の時間を楽しんでいる。「子どもたちの存在は仕事のやる気になります」穏やかに笑った。
私のオススメ
自宅から近い場所にある岩戸神社がお気に入りスポット。地元の人々から「岩戸さん」の愛称で親しまれている神社で、「岩永姫命(イワナガヒメノミコト)」「山の神」「水の神」「作物の神」が祭られています。散歩がてらたまに訪れますが、気晴らしにもなって気持ちがいいです。参道からヒノキやスギなどの巨木に囲まれており、神聖な雰囲気で心が洗われるような感じがします。
※この企画は、長崎新聞社発行の情報紙「とっとってmotto!」(令和7年2月28日号)に掲載されました。また、ひまわりてれびの情報番組「デイリーひまわりTims」でも動画バージョンが放送されました。
動画はYouTubeの雲仙市公式チャンネルでも公開しています。
YouTube雲仙市公式チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC1upHr_WMt3sCFOfkRP6oIQ
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