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平成18年9月定例議会所信表明

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本日ここに、平成18年第3回雲仙市議会定例会を招集しましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席賜り、厚くお礼を申し上げます。

所信表明に入ります前に、梅雨前線豪雨により、死傷者の発生や家屋の浸水など甚大な被害が生じた、先の鹿児島県、宮崎県の被災者の皆様、並びに、6月22日から27日、7月4日から翌5日、さらに7月19日から24日と3度にわたる豪雨により、床下浸水や建物の一部損壊、国道・市道等のがけ崩れ、農地や農作物の流失などにより被災された雲仙市民の皆様など、このたびの梅雨前線豪雨により被害を受けられた方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。

それでは、開会にあたりまして、その基本となる所信を表明させていただき、議会の十分なご審議を賜りますとともに、広く市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。




【漂着流木等の処理について】


7月中旬、五島灘において発見された原因不明の多量の流木は、7月19日には橘湾内でも操業中の漁民が発見し、その後、海岸への漂着も確認されました。

漁業者におかれましては、操業中のスクリュー等への被害や操業への影響を最小限に食い止めるべく、橘湾関係漁協の合同作業により回収にあたられておりますが、回収量は、漂着流木を含め、8月18日現在3,950本(概数)に及んでおります。

市におきましては、7月24日に「雲仙市海岸漂着流木等問題対策本部」を設置し、翌25日に現地調査を行った上で、景観の保全及び地域環境の悪化防止を図るため、1日も早く回収した流木を処理するとともに、漁業等被害に対処するため、専決処分により補正予算を編成し、対策を講じたところであります。



【豪雨による災害復旧事業について】


このたびの梅雨前線豪雨により、本市においても、小浜町、南串山町を中心として、多大な災害が発生しました。今後、災害復旧事業に取り組むことが必要な被災箇所は、道路65箇所、河川等13箇所、漁港施設1箇所、農地27箇所、農業用施設36箇所、林道1箇所に及んでおります。

市としましては、緊急の対応が必要でありました被災箇所の修繕費及び国庫補助の対象となる災害復旧事業の測量設計費について、専決処分により補正予算を編成し、適切に対応するとともに、早期の復旧に向け、今議会に本格的な災害復旧事業に係る予算案を提案しているところであります。



【地域審議会について】


本市においては、合併して行政区域が拡大しても、地域住民の声を的確に市の施策に反映し、きめ細やかな行政サービスの提供を実現するため、旧7町の区域を単位として、各地区に、15名の委員で構成する地域審議会を設置しておりますが、去る8月22日に、第1回目の会議を合同会議として開催しました。

今後、新市建設計画の変更や執行状況、市の基本構想の作成及び地域振興に関する事項などについて、地域審議会の意見を聞き、市政に反映してまいります。



【行政改革大綱の策定について】


本市は、地方分権の進展、人口減少や少子高齢化の進行、住民ニーズの多様化、国・地方を通じる厳しい財政状況など、地方公共団体を取り巻く環境の変化に対応するため、昨年10月、7町合併により誕生しました。

合併効果を最大限に発揮し、新市建設計画の基本理念である「豊かな大地・輝く海と ふれあう人々で築く たくましい郷土」を実現するためには、効率的で効果的な事業執行体制と強固な財政基盤の確立が欠かせません。

このため、本年度中に、行政改革大綱と行政改革の具体的な取り組みを定めた実施計画を策定することとしており、現在、市民や学識経験者からなる「雲仙市行財政改革推進委員会」の設置に向け、委員の選定を進めているところであります。



【入札制度改革について】


入札制度改革につきましては、公募市民、学識経験者及び関係部局の職員、合計12名の委員からなる「雲仙市入札制度検討委員会」を去る7月26日に立ち上げ、改革に着手いたしました。年内には委員会から、本市のあるべき入札制度について、提言書が提出される予定であります。

この提言書を基に、新たな入札制度を構築し、平成19年4月から導入してまいります。



【にぎわい・やすらぎのまちづくり推進事業について】


本市におきましては、合併後のまちづくりを最優先課題と位置づけ、7月の組織再編において「まちづくり課」を新設し、新しいまちづくりに取り組んでいるところであります。

県におきましても、今年度から新たに、景観や都市計画、交通など幅広い視点から市町が行う新たなまちづくりを支援する「にぎわい・やすらぎのまちづくり推進事業」に取り組まれておりますが、このたび、本市「千々石地区」が初年度のモデル地区に選定されました。

去る8月2日には、住民代表、まちづくりアドバイザー、県及び市の担当者で構成する「千々石地区まちづくり研究会」を立ち上げ、地域の資源や課題を抽出し、まちの将来像や住民及び行政が取り組むべき事業を盛り込んだ「まちづくり協働プラン」の策定に取り組んでいるところであります。

これらの事業を通じて、にぎわいとやすらぎのある環境を創出し、交流人口の拡大につなげてまいります。



【雲仙市合併1周年記念事業について】


本年10月に迎える合併1周年を契機として、市民の皆様が同じ「場」や「思い」を共有することにより、合併したことを改めて実感し、また、合併の意義などを再認識してもらう機会として、10月から11月を「合併1周年記念期間」として位置づけ、各種イベントを開催いたします。

この記念事業に雲仙市を挙げて取り組むことで、市の一体感の醸成を図るとともに、元気な雲仙市を市内外にアピールし、市の活性化と交流人口の増大につなげてまいります。



【雲仙市交通体系調査事業について】


雲仙市内の公共交通機関は、島原鉄道及び島鉄バスが国見から愛野を経て諫早方面へ、島鉄バス及び県営バスが雲仙及び南串山から小浜、愛野を経て諫早方面へ運行しておりますが、いずれの交通機関も市を縦断する運行を行っていないことから、市内の移動に際しては、愛野で乗り換えざるを得ない状況にあります。

このような交通事情の中、マイカー利用者が増大し、CO2排出及び交通渋滞の原因となっていることから、総合的な解決策を見出すため、雲仙市交通体系調査事業を企画し、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「民生部門等地球温暖化対策実証モデル評価事業」に応募し、今般事業採択の内示をいただいたところでございます。

調査事業では、島原半島内の観光スポット間シャトルバスや市内の乗合タクシーを一定期間運行し、その効果を検証することにより、今後の本市交通体系の策定のための資料としてまいります。



【高齢者等医療制度改革について】


国民皆保険を堅持しつつ、将来にわたり持続可能な制度とすることを目的に、本年6月、国民健康保険法の一部改正を含む医療制度改革関連法が制定されました。

その内容は、平成18年10月からの現役並みの所得がある高齢者の患者負担割合の改正、国保財政の安定化を図るための保険財政共同安定化事業の創設、さらには、平成20年4月からの75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の創設などであります。

これらの医療制度改革に対しましては、市としましても適切な対応に努めてまいります。



【グループホーム消防設備緊急整備事業について】


平成18年1月に大村市で発生しました認知症高齢者グループホームの火災による死亡事故を受けて、このたび、県において、グループホームにおける火災事故の再発を防止し、入居者の安全確保を図ることを目的として、スプリンクラーや自動火災報知器などの消防設備の設置に対する補助制度が創設されました。

市としましても、県とともに、市内のグループホームの消防設備整備を支援し、入居者の安全確保に取り組んでまいります。



【農畜産業振興と環境保全対策について】


雲仙市の主要産業である農業、畜産業が健全に発展していくためには、地域環境に適応、配慮した循環型の経営を営んでいくことが必要不可欠となっています。とりわけ畜産業については、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」の施行に伴い、処理施設の整備及び適切な処理が義務付けられたところであります。

市としましては、国・県の制度を利用し適切な処理施設の整備を図るとともに、農畜産業の振興に取り組んでまいります。



【農地保全事業について】


農業を基幹産業とする本市においては、地元農業者から農地保全対策に多くの要望があっております。

このため、市としましては、国及び県の補助制度を活用した事業に取り組むとともに、国及び県の補助事業に該当しないものについては、市の単独事業として「雲仙市農地保全事業補助金」を創設し、農業者自らが共同により実施する農道、かんがい施設、排水路等の整備に対し支援することとしております。

以上、議会定例会にあたり所信の一端と懸案となる項目を申し述べました。

今後とも、市民の皆様と率直な議論を積み重ねながら、雲仙市建設に力を注いでまいりますので、議員各位をはじめ市民の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申しあげます。



【雲仙ブランドの推進について】

雲仙市においては、農業所得の減少等により後継者不足が続き、高齢化が進展し、遊休農地が増加傾向にあります。また、これまでの農業は、生産性を重視し、販売面が弱い傾向にあり、優れた品質を有する農産物でも、他地域の産物に対する比較優位性を確立できず、その品質が販売価格に反映されない状況となっています。

このため、品質の優れた地元特産品については、消費者が一目でわかるような差別化を図ることが必要と考えます。そこで、こうした特産品を「雲仙ブランド」として認定し、知名度アップに取り組むことにより、農水産物販売価格の上昇、さらには生産者の所得向上につなげてまいります。




【雲仙市観光協議会について】


去る7月5日、個人・団体合わせて160名余りの会員の加入を得て、雲仙市観光協議会が発足いたしました。その後も会員の増加は続き、会員数は、8月25日現在251人になっております。協議会には、「宣伝・誘致部会」、「情報調査部会」、「地域資源部会」が置かれ、事業の推進にあたることとされております。

また、同協議会は、7月13日、国土交通省から、国際競争力のある観光地づくりを推進する「観光地域づくり実践プラン」に選定されました。同プランは、観光を軸とした地域づくりの特に立ち上げ段階において、国土交通省が、所管のハード・ソフト両面の事業・施策により総合的・重点的に支援する、というもので、雲仙市観光協議会の計画では、福岡、熊本両圏域と韓国、台湾の観光客をターゲットとして、地域資源を生かしたモデルツアーの創出及びルートマップの作成や、市全域の観光振興に寄与する情報を一元化して発信することなどに取り組むこととしております。

市としましては、同協議会と力を合わせて、市内外の様々な業種の皆様が連携して取り組む観光宣伝や観光客誘致などを推進するとともに、地域資源の掘り起こしや、観光を通じた地域の活性化に取り組んでまいります。



【国内ロングステイ実証実験について】


団塊の世代の大量退職に伴い、今後、地方への長期滞在(ロングステイ)や都市と地方の両方に居住する「2地域居住」に対するニーズが高まるものと考えられます。また、地方にとって、この受け入れは、地域の活性化を図る絶好の機会になるものと期待されています。

しかしながら、ロングステイや2地域居住の推進には、交通、宿泊施設、滞在中の過ごし方など、長期であるがゆえの課題があるものと思われます。こうした課題を整理し、対策を検討するため、国土交通省、JTB、JR九州が共同で、九州の5地域において実証実験に取り組むこととなり、当市がその中の1地域として、モデル地域に選定されました。

実証実験においては、当市の豊かな自然と食材を活用した2つのプログラムを用意して、参加者に多様な体験メニューを提供する予定であります。

実証実験を通じて、来る団塊の世代の大量退職に対応した、さらに魅力的な地域づくりに取り組んでまいります。



【市民ふれあいスポーツフェスタ開催について】


合併1周年を記念して開催する「市民ふれあいスポーツフェスタ」につきましては、実施期日を10月8日(日曜日)、会場を吾妻中学校グラウンド、吾妻体育館及び同体育館前桜公園広場とし、準備を進めているところでございます。

従来型の運動会だけでなく、子ども広場やふるさと産品祭り、さらには屋内での健康フェアを同時開催する、市民総参加型の複合イベントとして計画しております。

市民運動会の開催により、市民の相互交流を深め、雲仙市としての一体感を醸成したいと考え、市民の皆様に喜んでいただけますよう職員一丸となって取り組んでまいります。



【第33回全国育樹祭について】


第33回全国育樹祭が平成21年に長崎県で開催されることが、去る8月29日に決定されました。全国育樹祭は、森林の手入れを通じて、緑を育て次世代へ引き継ぐことの大切さを伝えるための国民的な緑の祭典として、毎年秋に開催されております。

本県では、平成2年に全国植樹祭が開催されており、天皇、皇后両陛下が出席され、国見町の百花台公園にヒノキを植樹されております。育樹祭では、この時のヒノキを皇太子ご夫妻がお手入れされる予定であります。

また、緑化に貢献した人の表彰や式典なども予定されておりますが、式典会場は今後、育樹祭を主催します社団法人国土緑化推進機構と長崎県が協議して決定することとされています。

市としましては、新聞報道されました8月30日に、早速県に対し、式典会場を雲仙市内に決定していただくよう働きかけるとともに、会場が市内に決定した際には、育樹祭の成功に向け最大限の努力を行ってまいります。



【財政運営(普通交付税)について】


7月25日に、平成18年度の普通交付税の交付額が、総務省から発表されました。それによりますと、全国の交付税総額が前年度比5.9%減、県内市町分が0.6%減となる中、本市の交付税は、8.9%(8億5千7百万円)増の104億2,998万6千円となりました。

合併に伴い市となったことにより新たに「生活保護費」が算入されたこと、及び合併後5年間措置される「合併補正」が適用されたことが、主な増加要因となっています。 

また、合併後10年間は合併がなかったものとして算定する「合併算定替え」が適用されていますが、これにより本来の額を上回って算定された額は26億円にもなっています。合併算定替えによる調整は、10年経過後、5年間で徐々に減額され、15年後は適用が終了し、本来の交付税額となります。

このため、市としましては、15年後も、安定した行政運営が可能となるよう、長期的な視点に立った財政運営に努めてまいります。



【実質公債費比率について】


8月29日に、平成17年度の実質公債費比率の速報値が、総務省より発表されました。実質公債費比率とは、本年度から導入された新しい財政指標のひとつで、自治体の収入に対する借金返済額の比率を示すものですが、従来の起債制限比率と異なり、一般会計が負担すべき公営企業会計の借金返済等も含んでおり、自治体の財政実態をより正確に把握できる指標でございます。

この実質公債費比率が 18%以上になりますと、新たに地方債を発行する際に、財政運営の計画を立てて国や都道府県の許可を受けることが必要となり、 25%以上になりますと、単独事業に係る一部の地方債の発行が認められなくなります。

速報値によりますと、本市の実質公債費比率は11.3%で、県内23市町の中では、4番目に低い数値となっております。これは、合併前の旧7町が適正な財政運営に努めてきた結果でございますが、元々、財政基盤の脆弱な本市にあっては、今後の行財政の運営次第では、急激に指標が悪化することも予測されます。

市としましては、こうした事態を招かないよう、今後も適正な行財政運営に努めてまいります。



【合併により消滅した旧町等の決算について】


合併により消滅した地方公共団体の収支は、消滅した日をもって打ち切り、事務を継承する地方公共団体において決算し、議会の認定に付することとされております。また、解散した一部事務組合の収支は、解散した日をもって打ち切り、事務を継承する地方公共団体において決算し、構成団体の議会の認定に付することとされております。

このため、今議会において、旧7町の一般会計及び特別会計、旧3町の公営企業会計、吾妻愛野学校給食組合、南高北部斎場組合、長崎県市町村議会議員公務災害補償等組合及び雲仙合併協議会の平成17年度決算認定の議案を提出いたしております。よろしくご審議賜わり、ご承認いただきますようお願いいたします。



最後になりましたが、去る8月25日、福岡県で追突事故により3児が死亡するという、痛ましい交通事故が発生しております。原因は福岡市職員の飲酒運転によるものでありました。

亡くなられた3人のお子さん達に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族のご心情をお察し申し上げます。

市におきましては、かねてから職員の綱紀粛正の徹底に努めてまいりましたが、この事故を受け、改めて、「同じ公務員として、このことを厳粛に受け止め、全体の奉仕者としての自覚を持ち、職員一人ひとりが交通ルールを遵守することはもちろんのこと、服務規律の確保に努め、市民の信頼に応えるべく綱紀粛正により一層努める」よう職員に対し、周知したところであります。



以上、議会定例会にあたり当面する諸課題について申し上げましたが、市政全般にわたり、市民の皆様と対話を進め協調、協働して、雲仙市建設に全力で取り組んでまいる所存でございます。
今後とも議員各位をはじめ市民の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。



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