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吾妻町

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○守山大塚(もりやまおおつか)古墳
■古墳時代(約1700年前)

県内最古級の前方後円墳
 島原半島で唯一現存する前方後円墳で、離島を除く長崎県内では最大級の大きさを誇ります。後円部の直径は約45メートル、全長は70メートルを測ります。後円部中央の高さは約7メートルあり、写真で判るように、現在は墓地として使用されています。平成21年度に行われた古墳周囲の発掘調査により、古墳に葺石(ふきいし)が施されていたことや周りに周溝(しゅうこう)(堀)が巡ることが判明しました。また、出土した壺や甕の破片から、4世紀前半には古墳が作られていたこともわかりました。墳丘(ふんきゅう)の大きさも一回り大きくなることが予想され、80メートル前後の大きさと考えられます。前方後円墳の形そのままに現在のお墓が建ち並ぶ姿は一見の価値有りです。
 なお、宮崎康平氏の書籍「まぼろしの邪馬台国」でも紹介されています。
守山大塚古墳の航空写真
守山大塚古墳を上空から見た写真(右奥が前方部 後には田内川(たないがわ)が流れる)

葺石基礎検出写真古墳西側の水田を調査した結果、現在の墳丘の外側に、当時の墳丘基礎部分が発見された。径50センチメートルほどの川原石(後を流れる田内川から採取?)を積み上げている。
葺石基礎検出写真 

○弘法原(こうぼうばる)遺跡
■縄文時代早期(約8000年前)

縄文時代早期の大規模遺跡 
 多くの縄文土器や石器が発見されています。土器は「押型文土器(おしかたもんどき)」と呼ばれるもので、土器の表面にジグザクの山形や格子目の模様が施されているのが特徴です。遺物の出土量が非常に多く、狩猟の道具である「石鏃(せきぞく)」と同様に、植物加工用の「石皿」や「磨石(すりいし)」なども多く発見されていることから、「定住して生活」を行っていた大規模な集落跡と考えられます。出土した土器は「弘法原式土器」と型式設定され、学術的にも非常に貴重な遺跡です。弘法原式土器(山形押型文土器)
 弘法原式土器(山形押型文土器)
弘法原遺跡近景
弘法原遺跡近景

【参考文献】
○『弘法原遺跡』吾妻町の文化財7
  吾妻町教育委員会(1983)

○『弘法原遺跡』吾妻町の文化財13
  吾妻町教育委員会(1992)

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