湯快リゾート雲仙東洋館 山本 紗亜弥さん =雲仙市吾妻町=
ホテル業は一期一会/一人一人に全力対応
◆憧れていた仕事
好きな言葉は「一期一会」。宿泊客の数だけ対応も十人十色。1度しか出会わない人もいるかもしれない。だからこそ「お客さま一人ひとりに全力で寄り添った対応を心掛けています」と力を込める。
南島原市出身。中学2年の時、吾妻町に引っ越した。高校卒業後、資格を持っていたほうがいいと考え、看護学校に進学。でも、本当にやりたかったのは接客業。子どものころ家族旅行で泊まった宿のスタッフの対応がとても丁寧で、カッコよく見えた。テレビドラマの中のホテルマンがキラキラと輝いていた。憧れを捨てきれずに看護学校を辞め、ホテル業界に就職した。
理想と現実の壁はすぐに訪れる。臨機応変に接客をするには、「膨大な知識量が必要なことを痛感した」と振り返る。宿泊客の要望に素早く対応するため、「自分なりに学習し、分からないことは上司や先輩に聞く」ことを徹底した。経験が足りない分を、教わり学ぶことで補った。
◆最高の褒め言葉
観光客に「どれだけ雲仙市の魅力を伝えることができるか」を常に考えている。ミヤマキリシマなどの開花情報はネットや紙の情報だけに頼らず、自身の目で確認しに行く。「何色の花が咲いていて、どこの場所がきれいだったかなど、体験していたほうが伝わりやすいから」。ある日、宿泊客から「丁寧に対応してもらい、快適だった。また来ます」とお礼を言われた。この仕事にやりがいを感じる最高の誉め言葉だった。
休みの日は島原半島内をよくドライブする。若者が集まれる飲食店や、24時間営業しているガソリンスタンドが少ないなど不満はあるが、海や山に囲まれた古里が好きだ。都会に憧れもある。だけど今は「地元を選んで間違いじゃなかった」と満足そうに笑う。「お客さまが喜ぶことを最優先に考え、自分が感じた魅力を全力で伝えたい」。憧れの世界で、思いは輝きを増す。
私のオススメ
就職するまでは、あまり来ることがなかった雲仙温泉街。ただ通り過ぎていた景色だったが、今はその魅力を伝える立場にいる。雲仙地獄だったり、普賢岳の景色だったり、四季を感じる場所に足を運ぶことが多くなった。「小浜の足湯もいいし、もうすぐ仁田峠の紅葉も見ごろ。百花台公園もいい季節ですね」。オススメを絞れないのが贅沢な悩みでもある。

蒸気を上げる雲仙地獄
※この企画は、長崎新聞社発行の情報紙「とっとってmotto!」90号(令和5年9月22日号)に掲載されました。また、ひまわりてれびの情報番組「デイリーひまわりTims」でも動画バージョンが放送されました。
動画はYouTubeの雲仙市公式チャンネルでも公開しています。
YouTube雲仙市公式チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC1upHr_WMt3sCFOfkRP6oIQ
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