ジャガイモ農家 松山 太さん =雲仙市南串山町=
先人が大切にしてきた/デジマの良さ伝えたい
◆万能選手
ジャガイモの品種「デジマ」を継承する「なんぐしデジマプロジェクト」のメンバーとして、日々汗を流す。南串山町で50年以上前から栽培されてきたデジマ。昔は多くの農家が栽培し、南串山町を代表する品種だったが、時代とともに収穫量が見込めるほかの品種にシフトし、栽培農家は数えるほどに。自身も初めのうちは別の品種を育てていた。しかし3年前、町のまつりで口にしたデジマのおいしさに衝撃を受け、「自分で作りたい」と、栽培を始めた。
「煮てよし揚げてよし。どんな料理にも合う万能選手」とデジマの特徴を語る。現在、ジャガイモ畑約250アールのうち、50アールでデジマを栽培。量は少ないが、「幻のジャガイモ」として口コミが広がり、完売できるようになった。自身がおいしいと思うものを作り続けて、間違いじゃなかったという証明でもある。「消費者が求めているものを作る。みんなにおいしいと言ってもらえることが原動力」と笑顔を見せる。
◆挑戦忘れずに
モットーは「仕事を楽しむこと」。しかし、農業は「楽しさ2、つらさ8」と苦笑。土を改良したり肥料を変えたりしても、うまく育たない時もある。だが、失敗してもあきらめない。挑戦し続けることを大切にしている。
海が見渡せる段々畑が好きだ。農家だが魚のほうが好き。野菜も魚もおいしいのが気に入っている。だけど、コンビニがない町。もう少しお店が増えてほしい。交通の便もよくなってほしいと思う。贅沢を言い出せばきりがないが、それはそれで「ガヤガヤしていなくていい」と満足そう。先人たちが大切に育ててきたのは、デジマだけじゃなく、風土そのもの。「もっと生産量を増やして、たくさんの人に南串山の良さを伝えたい」と目を輝かせた。
私のオススメ
温泉と蒸し料理が休日の楽しみという松山さん。小浜温泉街の「湯宿 蒸気家」がお気に入り。蒸し釜にジャガイモを入れて、その間に温泉へ。蒸しジャガを手土産に、知り合いの飲食店で飲むのが至福のコース。「これで明日も頑張れる」とほっこり。
※この企画は、長崎新聞社発行の情報紙「とっとってmotto!」(令和6年3月8日号)に掲載されました。また、ひまわりてれびの情報番組「デイリーひまわりTims」でも動画バージョンが放送されました。
動画はYouTubeの雲仙市公式チャンネルでも公開しています。
YouTube雲仙市公式チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC1upHr_WMt3sCFOfkRP6oIQ
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