レタス農家 渡部 慶志さん =雲仙市南串山町=
幼いころから志した農業の道/消費者目線の野菜を育てたい
◆農業経営の現実を知る
祖父の代から農業を営み、幼いころから両親らが農作業する姿を見たり手伝ったりしてきた。小学5年のころには「農業を継ぐ」と決意。高校卒業後から父が営む「渡部農園」で働いている。南串山町、愛野町、吾妻町、瑞穂町に畑があり、レタスやジャガイモ、カボチャなどを生産。主にレタス栽培を任され、今は収穫の真っただ中だ。
朝に収穫したレタスを箱詰し、昼には市場へ出荷する。「消費者目線を心がけ、きれいな野菜を育てたい」。レタスが病気などで傷んでしまわないよう、細心の注意を払いながら育てている。父や同業の先輩に農業のノウハウを教えてもらいながら作業に励む日々。自分が作った野菜を「おいしい」と言われるとやりがいを感じる。
農業の道を歩き始めて約1年半経ち、農業経営の現実も見えてきた。「収穫量が多くても高値になるわけではない。農機具や資材も高騰する中、安値で売られると割に合わない」。いずれは自分が継いで自立することを目標に奮闘中だ。
◆野球で培った体力生かして
幼いころから野球を続け、進学した小浜高校では甲子園を目指した。今も地元の野球チームに参加し、毎週試合を楽しんでいる。学生時代に野球に打ち込んだおかげで夏の暑さにも負けない体力がついて、人との関わり方も学んだ。「農業は周りの人たちと一緒に作業する仕事。野球で協力する大切さを知った」。
生まれ育った南串山町は趣味である釣りスポットが多く、大好きな町だ。しかし、どこに行くにも遠く不便さを感じる。バイパス整備など市内外へのアクセスが良くなれば移動時間が少なくなり、災害時も便利になると思っている。高齢化が進み、農業者も減って耕作放棄地が増えているのも気になる。「耕作放棄地を減らして、育てている野菜の収量を増やし、多くの消費者へ野菜を届けたい」。将来を見据え力強く語った。
私のオススメ
県内屈指の夕日スポットとしても有名な小浜町の海岸沿い。橘湾に夕日が沈むころ茜色に染まる空と海のコントラストは絶景です。日々、南串山町にある自宅から雲仙市内に点在する畑へは車で移動しており、小浜町の海岸沿いを通っています。車で通るのでゆっくり見ることはできませんが、横目で海を眺めながら癒やされています。この海岸沿いは雲仙市内の中でも特におすすめのスポットです。

雲仙ふるさと景観百選受賞作品
※この企画は、長崎新聞社発行の情報紙「とっとってmotto!」(令和6年11月22日号)に掲載されました。また、ひまわりてれびの情報番組「デイリーひまわりTims」でも動画バージョンが放送されました。
動画はYouTubeの雲仙市公式チャンネルでも公開しています。
YouTube雲仙市公式チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC1upHr_WMt3sCFOfkRP6oIQ
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