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平成27年第1回雲仙市議会定例会 施政方針

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 本日、平成27年第1回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位にはご健勝にてご出席を賜り厚くお礼を申し上げます。

 開会にあたり、市政運営についての所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じますとともに、平成27年度の主な取り組み方針等についてご説明申し上げます。

<市制施行10周年を迎えて>
 平成17年10月11日に雲仙市が誕生し、本年は、市制10周年という節目の年を迎えます。

 この間、本市の将来の発展に向け、市民と行政が一体となって地域特性を活かしながら、新しい時代にふさわしい活力と魅力あるまちづくりに取り組むため、市政の総合的な経営指針となる「雲仙市総合計画」を策定し、本市の将来像である「豊かな大地・輝く海とふれあう人々で築くたくましい郷土」の実現を目指し、各種施策の具現化に取り組んでまいりました。

 新たな出発の年となることから10周年記念事業の中心的な公式行事として、記念式典を開催し、また、この10年の歩みを市民の皆様とともに振り返り、次の10年が更なる飛躍の10年となるよう取り組んでまいります。

<地方創生>
 さて、雲仙市では、平成25年度から市独自で人口動向の分析を開始いたしましたが、人口減少の大きな要因が若者世代の流出にあるとの分析結果を踏まえ、平成26年度において、若者世代の定住を促すための定住奨励補助金制度を創設し、また、子育て世代の負担軽減を図るため福祉医療費の対象者を、「小学校入学前」から「中学校卒業まで」と拡充するなど、人口減少対策に資する市独自の施策を展開してまいりました。

 しかしながら、平成26年5月8日に日本創成会議 人口減少問題検討分科会が発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」により、人口減少の危機的状況がクローズアップされました。

 また、国におきましては、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2014」では望ましい未来像に向けた政策推進として「50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持することを目指す」と掲げられ、9月に「まち・ひと・しごと創生本部」を設置、11月に「まち・ひと・しごと創生法」が成立、12月には国における「長期ビジョン」及び「総合戦略」が閣議決定され、1月26日に開会された第169回通常国会において、地方創生関係交付金などを含む平成26年度補正予算も成立するなど、国はスピード感を持って人口減少や地域経済活性化を含む地方創生に取り組まれております。

 市におきましては、平成26年8月に「雲仙市人口減少対策プロジェクトチーム」を発足させ、市の実情分析、若者定住に資する既存事業の調査などを実施しておりましたが、「まち・ひと・しごと創生法」に基づく国の対応等に即して、雲仙市におきましても「人口ビジョン」及び「総合戦略」を策定するよう取り組むとともに、国や県の支援策等の対応に注視し、速やかに雲仙市の人口減少及び経済活性化に対応できるように取り組んでまいります。

<教育委員会制度>
 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が平成26年6月20日に公布され、平成27年4月1日から施行されることとなりました。

 今回の改正は、教育の政治的中立性、継続性・安心性を確保しつつ、地方教育行政における「責任体制の明確化」、「迅速な危機管理体制の構築」、「地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化」を主なねらいとして行われたものであります。

 今回の改正に伴い設置が義務付けられる「総合教育会議」は、地方公共団体の長と教育長及び教育委員により構成し、地方公共団体の長が招集することとなっており、教育行政の方向性を示す「大綱」の策定や、教育の条件整備など重点的に講ずべき措置等の協議・調整が行われますが、最終的には執行権限は教育委員会に留保されております。

 また、教育の目標や施策の根本的な方針を示す「大綱」の策定につきましては、「総合教育会議」において、十分に協議・調整を行った上で策定し、各種教育施策に取り組んでまいります。

<九州市長会総会>
 平成27年5月に、九州の118市の市長が一堂に会し、国や関係機関に対する要望事項などを協議する「第116回九州市長会総会」が雲仙市において開催されますが、雲仙温泉観光協会や、雲仙旅館ホテル組合のご協力を賜りながら、雲仙市の効果的なPRができるよう準備を進めてまいります。

<平成27年度当初予算案について>
 一般会計の予算額でございますが、275億116万5千円で、前年度に比べ、0.8%の増となっており、特別会計及び企業会計を含めた全会計合計は、397億4,555万円で、前年度に比べ、3.7%の増となっております。

 国の財政状況につきましては、急速な高齢化を背景とする社会保障経費の増加や名目経済成長率の低迷等により、大幅に悪化している状況で、公的債務残高は国内総生産の2倍程度までに累積しており、赤字国債の発行を通じ次世代に負担を先送りする構造となっております。

 このため、元気で豊かな地方の創生に取り組み、強い経済の実現による税収の増加と聖域なき徹底的な歳出削減を一層加速させることにより、経済再生が財政の健全化を促すという国の基本的な方針が示されております。

 このような情勢を踏まえながら、平成27年度の予算編成におきましては、引き続き中期財政計画に基づいた健全な財政運営を基本とし、合併特例期間終了後の極めて厳しくなる財政環境を職員一人ひとりが認識した上で、選択と集中による重点化の徹底を図ったところでございます。

 私自身、自治会長会議や、産業関係団体との会合等に出席するなど、市民の皆様の声を踏まえ、市民目線・立ち位置で市民生活の向上が図られるよう努め、また、地方創生の最重要課題である「人口減少対策への取り組み」を踏まえ、特に、「子育て支援をはじめとした福祉対策」、「官民一体となった広域連携による観光産業の強化」、「地場産業の育成と雇用創出」を重点的施策とし、国・県の動向など自治体を取り巻く行財政制度の変化に注視しながら、また、今後の動向等を予測しながら予算編成にあたったところでございます。

 それでは、平成27年度当初予算にかかる主な取り組みについて、「雲仙市総合計画」の6つの基本方針に沿って、ご説明いたします。


1.みんなでつくるまちづくり
○『参加と協働』の分野について
 自治会や市民団体の活動支援につきましては、市民参加による協働のまちづくりを推進するため、自治会や市民団体が自主的かつ活発的に活動ができるよう、引き続き自治会活動活性化交付金や地域づくり補助金等による活動支援を行ってまいります。

 ふるさと納税につきましては、寄附意欲を刺激するため、寄附者が謝礼品を選択できるよう特産品を掲載したカタログを作成し、寄附額の増、市及び特産品のPRを図ってまいります。


○『行政運営』の分野について
 行政運営につきましては、平成26年10月に雲仙市単独電算システム事業が完了すると同時に、本稼動を開始して安定運用に努めているところでありますが、今後も円滑かつ効果的な運用とともに、信頼性・安全性の確保を図りながら、社会保障・税番号制度の開始に向けたシステムの改修など、引き続き電子自治体の推進による行政事務の効率・適正化と行政サービスの向上に努めてまいります。

 機構改革につきましては、年々多様化する市民ニーズに迅速に対応するため、わかりやすく簡素で効率的な組織体制づくりを目指し、平成28年4月の組織・機構の見直しに向けた調整を行ってまいります。

 入札制度につきましては、平成26年度より建設工事の一部につきまして、電子入札を導入しておりますが、今後も対象業種を拡大し、入札制度の公正性を確保するとともに事業者の負担・市の事務量の軽減を図ってまいります。

 収納推進につきましては、引き続きファイナンシャルプランナーを活用し、滞納者に対する市税滞納原因等の分析、並びに過払い等の債務整理など生活改善の提案を行い、中長期的な観点で市税の安定的・継続的な納税につなげてまいります。

 総合計画につきましては、平成28年度に現計画の最終年度を迎えることから、第2次雲仙市総合計画の策定に向け取り組んでまいります。

 庁舎整備につきましては、当初計画を一部見直し、増築庁舎の完成後、平成27年度から28年度にかけて既存庁舎の改修に取り組みます。
 また、国見・南串山両総合支所につきましては、平成27年度において設計を行い、瑞穂・小浜両総合支所につきましては耐震診断の結果を踏まえ、今後の利活用について検討を行います。
 愛野コミュニティセンターの建設につきましては、現在、庁内で検討を重ねておりますが、よりよい施設となるよう市民の代表や関係者等による建設検討委員会を組織し、基本構想をとりまとめ、住民説明会を開催したいと考えております。


2.快適で住みよい暮らしづくり
○『住環境』の分野について
 定住促進対策につきましては、定住促進奨励補助金制度により若者世代の定住促進に努めてまいります。
 また、引き続き地域おこし協力隊を活用し、定住、移住対策を推進してまいります。

 婚活支援につきましては、婚活を行う方々の意識の改善を図り、コミュニケーション能力など出会いの場でのスキルアップを目的とした婚活支援講座の開催や、市内で活動する団体の支援などに取り組んでまいります。

 木造住宅の耐震化につきましては、地震等の災害に強い住宅及び建築物を目指し、耐震診断・改修補助の充実により耐震化の促進に取り組んでまいります。
 また、大規模建築物の耐震化につきましては、現行の耐震診断費補助に加え、耐震改修計画作成費用も対象として耐震化の促進を図ってまいります。
 市営住宅につきましては、長期にわたり使用可能な住宅の供給を図るため、長寿命化計画に沿った改善に取り組んでまいります。

 水道につきましては、安全・安心な水道水の安定的な供給に努めるため、上水道事業では、国見地区の配水管布設替工事及び小浜地区の浄水場改修工事を行い、また、簡易水道事業につきましては、千々石簡易水道統合整備事業の早期完了に向け取り組んでまいります。

 下水道につきましては、生活環境の保全と公衆衛生の向上及び豊かな自然環境を守るため、施設の適正な維持管理と接続推進に努めてまいります。
 また、下水道等区域外の浄化槽の設置整備につきましては、補助対象を店舗等も含め51人槽以上までに拡大し働く場所の確保、交流人口及び定住人口の拡大に向けた環境整備を図ってまいります。

 雲仙古湯地区街なみ環境整備事業につきましては、平成27年度完成に向け、解体した旧パークホテル跡地の公園整備を行います。


○『安心・安全なまちづくり』の分野について
 市民の安心・安全なまちづくりにつきましては、消防団を中核とした防災力の充実強化を図るとともに、災害時に災害対策機能が十分発揮できるよう、本庁舎及び千々石庁舎に太陽光パネルと蓄電池の整備を図ります。
 また、「減災」の考えに立ち、被害を最小限にとどめるため、自主防災組織による地域の実情に即した情報などを地図に記載した「マイ防災マップ」の作成支援を行いながら、災害が発生した場合の災害情報の収集、伝達体制の整備を推進してまいります。
 併せて、災害時等における高齢者など安心安全の確保を図り、市民の意識高揚と「地域は地域のみんなで守る」という共助の意識を高めるため、災害時要援護者避難支援計画の要援護者名簿の整備及び自治会における避難支援訓練の実施を推進してまいります。

 海岸の防災対策につきましては、台風等の高潮の越波による住民の生命・財産を守るため、南串山赤間漁港海岸保全整備に取り組みます。
 なお、長年要望しておりました瑞穂町西郷港と国見町長浜海水浴場間の越波対策につきましては、県事業により平成26年度から測量設計に着手され、平成27年度に具体的に取り組まれることとなっております。

 急傾斜地崩壊対策につきましては、本年度より瑞穂町横田地区の急傾斜地崩壊対策事業を行ってまいります。
 また、老朽化した河川護岸の対策につきましては、4河川において改良事業を行い、小規模なものについては、緊急性等を判断し、維持補修事業により対応してまいります。


○『安心・安全な暮らし』の分野について
 防犯対策につきましては、防犯灯や街路灯の整備を推進するため、LED防犯灯の設置にかかる補助加算を引き続き行うことにより、自治会の防犯灯維持費の軽減を図るとともに、夜間における犯罪の防止と安全を確保してまいります。
 また、市と地域防犯団体が中心となり、「地域の安全は地域で守る」を合言葉に、防犯活動の推進と防犯力の強化を推進してまいります。

 消費者行政につきましては、年々複雑・巧妙化している悪質商法の手口により消費者がトラブルに巻き込まれる危険性が高まっており、特に、高齢者の相談が多いことから被害を未然に防止する啓発活動の強化を重点課題とし、市民の皆様が安全に安心して暮らせる地域社会づくりを目指し、将来にわたり一層の充実を図ってまいります。


○『道路網・交通体系』の分野について
 道路につきましては、地域社会の発展や、災害時の緊急物資の輸送など、市民生活に果たす役割がきわめて高く、まちづくりを考える上で最も重要な施設の一つであることから、合併により旧町から引き継いだ継続事業の早期完成を目指すとともに、道路の改良及び橋梁など老朽化に伴う維持補修について、緊急性等を判断し計画的に整備を進めてまいります。

 地域高規格道路「島原道路」の吾妻愛野バイパスにつきましては、愛野ICから吾妻町広域農道取付までの約1.7km区間を平成29年度完成目標として工事が進められております。

 愛野町から小浜町までの道路整備計画につきましては、住民が安全で安心に暮らせるよう、防災、医療、地域振興などの役割が大きい「命の道」として位置付け、愛野小浜バイパスの要望を行っておりますが、これまで進展が見られないことから、当区間の道路整備について、重要性を踏まえ、あらゆる方向から研究を行うとともに、早期実現に向けた要望を行ってまいります。

 公共交通につきましては、島原鉄道株式会社の厳しい経営状況等も考慮しつつ、生活交通路線バスの確保に努めるとともに、鉄道事業においては、島原市、諫早市と連携をとりながら鉄道設備等の財政的支援を行い、市民の皆様が安全・安心、快適に移動できる環境づくりに努めてまいります。
 また、平成34年春に開業が予定されている九州新幹線西九州ルートにつきましては、新幹線効果が最大限に発揮され、地域活性化が図られるよう、九州新幹線西九州ルート県南地域活性化協議会において協議してまいります。


○『自然環境』の分野について
 自然環境の保全につきましては、平成26年度策定の「雲仙市環境基本計画」に基づき、市民・事業者・行政が一体となって、河川等の水辺保全、海岸等の保全、森林の保全・育成、農地の保全等、環境問題に取り組んでまいります。
 また、雲仙市が中心となって、島原半島三市、長崎県及び長崎大学が連携し、島原半島を環境教育のフィールドとして、半島が有する環境問題や自然エネルギー開発について調査・研究してまいります。


3.笑顔いっぱいの健康と福祉づくり
○『健康』の分野について
 健康づくりにつきましては、結核・肺がん検診の地域巡回検診や各種団体等への健康教育を通じて受診勧奨を行うとともに、婦人がん検診の休日検診を実施することにより若年者検診の受診率向上を図り、また、これまでの個別保健指導のほかに、多くの市民を対象とした血圧教室等の健康教育を実施し、生活習慣病の発症予防及び重症化予防に努めてまいります。

 特定健診につきましては、胃がんリスク検査を追加し、併せて受診者の掘り起しを行い、特定健診実施率の向上を図ってまいります。


○『福祉』の分野について
 福祉施策につきましては、市民、福祉関係者、行政の協働による地域における福祉活動を積極的に推進するため、第2期地域福祉計画を策定するとともに、「誰もが安心して住み続けることができる地域社会づくり」を目指し、引き続き、日常的な支え合い活動を行う地域支援グループ等の結成及び活動の支援等を行う「地域ふれ愛ささえ愛事業」を推進してまいります。

 高齢者福祉につきましては、平成26年度策定の第4期高齢者福祉計画並びに第6期介護保険事業計画に基づき、高齢者が健康でいきいきした生活がおくれるよう介護予防教室の拡大、既存グループの自主活動化への支援、また、就業機会の確保に併せ、社会参加促進による地域活性化を図り、高齢者生きがいづくり事業を行う雲仙市シルバー人材センターの支援を行ってまいります。

 全国健康福祉祭につきましては、平成28年度本大会の開催に向け、雲仙市実行委員会の設立及びリハーサル大会の実施等準備を進め、本大会の成功を目指します。

 障害者福祉につきましては、平成26年度策定の第4期障害福祉計画等に基づき、障がいのある方の就労支援、その他必要な障害福祉サービスや地域生活支援事業等が計画的に提供されるよう取り組むとともに、特別支援学校通学における保護者の負担軽減等を図るため、新たに通学支援事業を実施します。
 なお、これまで分解することなく売却しておりました使用済み水道メーターの分解作業を、障害者福祉事業所に委託することにより、障がいがある方の就労機会の増加につなげてまいります。

 低所得者福祉の充実につきましては、困窮状態から早期に脱却することを支援するため、関係部局及びハローワークと連携し、生活困窮者・生活保護者の就労を支援するとともに、要保護者に対して生活扶助の支給等を行い、最低生活の補償と自立のための適正な支援を行います。


4.力強い産業と仕事づくり
○『農林水産業』の分野について
 雲仙市の重要施策の一つである農林水産業の振興につきましては、地域の特色を最大限に活かした農林水産業の活性化を図っていくとともに、豊かで魅力ある農林水産業の振興に向けた『雲仙市農林水産業振興計画』を本年3月までに完成させ、本市農林水産業の持続可能な発展を目指してまいります。

 まず、農業の振興につきましては、これまで様々な事業を推進してまいりましたが、更なる振興を図り、地域の持つ潜在力を最大限に発揮させるため、経営基盤の強化、農業担い手育成対策、生産性向上対策、経営コスト低減対策に重点的に取り組んでまいります。

 基盤整備につきましては、農業生産の効率化、担い手への農地集積が基盤であることから、既に事業に着手している地区の早期完成はもとより、新規地区の積極的な推進を図ってまいります。

 畜産につきましては、特に中心となる肉用牛部門にあっては、優良繁殖牛地帯の育成を目指した家畜導入事業を積極的に推進し、飼養規模の拡大と維持を図るほか、地域一貫生産体制の確立に向け、市単独による優良雌牛保留の更なる推進や、優良肥育素牛導入への支援を進めるなど、品質の良い『雲仙牛』の産地形成を目指します。

 林業につきましては、市有林の適正な森林施業を図るため利用間伐面積を増加し、また、私有林につきましては、意欲的な森林所有者等が更に森林経営計画の作成に取り組めるよう支援するとともに、造林補助事業の対象となる森林の利用間伐施業及び作業道整備への補助の新たな上乗せ支援や、ながさき森林環境税事業を活用した切捨て間伐を推進するなど、収益確保につながる施策を展開してまいります。

 水産業の振興につきましては、栽培漁業・養殖漁業の推進、新規就業者等に対する支援や漁場環境の保全に取り組み、水産資源の維持増大や漁業担い手の確保等に努めてまいります。

 諌早湾干拓事業潮受堤防排水門の問題につきましては、国は2つの相反する義務を負い、解決については長期化するような状況の中、いかなる場合でも対応できるよう平成27年度政府予算案に開門対策経費を計上されておりますが、市といたしましては、市民の安心・安全、雲仙市の農業・漁業を守ることを第一に考え、長崎県及び諌早市と連携をとりながら対処してまいります。


○『商工業・企業誘致』の分野について
 商工業の振興につきましては、引き続き、中小企業者等の運転資金や設備資金に対する融資制度により経営基盤の安定化を推進し、空き店舗を活用して営業などを行う事業に対する助成制度により商店街の活性化を図ってまいります。

 地場産業の振興につきましては、雲仙市産業サポート事業、雲仙市中小企業設備資金利子助成事業等により、創業、経営改革、農商工連携の取り組みに対して支援を行い、新商品の開発や販路の開拓、雇用の確保につなげてまいります。

 企業誘致による雇用の創出につきましては、平成25年に策定した、「雲仙市企業立地推進方針」に基づき、本市の自然環境、人材、産業などの地域資源を最大限に活用して、製造業を中心とした企業誘致に積極的に取り組み、市内経済の活性化と雇用の創出につなげてまいります。


○『物産販売』の分野について
 物産販売の促進につきましては、消費者に信頼される「雲仙ブランド」の確立を図るとともに、今後の制度のあり方につきましても、より良い制度となるよう認定委員会等において検討を行い、併せて、県内では夢彩都などの商業施設、県外では大規模な駅周辺施設等での物産展や、県が開催する「長崎フェア」等に引き続き参加し、できるだけ多くの消費者の皆様に対して、「雲仙ブランド」をはじめ、雲仙市の特徴ある農畜水産物や魅力あるこだわりの産品をPRし、販売促進を図ってまいります。
 また、私自身もトップセールスとして積極的に様々な企業を訪問し、雲仙市の特産品をセールスしてまいります。
 併せて、市内生産者や製造・加工業者の方々の販売促進・販路拡大に関するニーズを調査・把握した上で、官民一体となって、セールス活動や商談会等の販路拡大にも積極的に取り組み、所得向上につなげてまいります。


5.新しい観光・交流による活力づくり
○『観光』の分野について
 観光振興につきましては、島原半島三市や関係団体が一体となり、今後の島原半島の目指すべき方向や目標を共有し、連携を図りながら課題の解決を図っていく場として、平成27年2月17日に「島原半島活性化会議」が設立されました。
 今後は、この会議において島原半島三市が一体となって観光誘客に取り組むための組織体制のあり方や、効果的な予算・事業施策等について議論を進め、観光振興につなげてまいりたいと考えております。
 なお、雲仙市ならではの魅力ある地域資源を掘り起こし、更に磨きをかけ、市全体の潜在力を充分に活かしながら、多くの観光客に足を運んでいただけるよう、より効率的・効果的なセールス活動や情報発信に積極的に取り組み、併せて、外国人観光客の誘客につきましても、関係自治体とさらに連携強化を図りながら、情報を分かりやすく発信し、韓国・中国・台湾といった東アジアを中心に継続的なセールス活動や、多言語案内表示の整備など地域の受入環境の整備にも取り組んでまいります。

 交流事業につきましては、引き続き、韓国求礼郡との中学生による相互交流を行い、異国の文化、伝統、生活様式等に直に触れながら、相互理解、国際感覚豊かな青少年の育成を図り、また、霧島市との交流につきましては、民間団体による交流を促進し、さらに両市の連携を図りながら観光情報等を発信するなど、地域交流を進めてまいります。


6.明日を担う人づくりと誇りあるふるさとづくり
○『子育て』の分野について
 子育て支援につきましては、妊娠から出産、保育、就学までの全ての子育ての場面で、子どもやその保護者が適切に子育て支援施策を享受できるよう子ども・子育て支援事業の各種施策の推進を図ってまいります。
 また、これまでの「すこやか子育て支援事業」に、新たに保育園等に複数の子どもを通園させる世帯を対象に第2子目の保育料を無料化し、併せて、保育施設整備事業により子どもを安心して保育することができるよう環境整備を図ってまいります。

 母子保健事業につきましては、母子保健法に基づいた相談、健診を実施するとともに、発達障害等の早期発見・支援を行うため、5歳児健診の推進とことばと心の相談事業を引き続き実施し、発育支援に努めてまいります。
 また、生活習慣改善事業として、生活リズムと食に関する健康教育等を実施します。

 歯科保健対策につきましては、引き続き乳幼児のむし歯予防対策に努めるとともに、妊産婦を対象とした妊産婦歯科健康診査の実施に取り組んでまいります。


○『教育』の分野について
 学校教育につきましては、平成18年度から全小中学校に配置しているスクールサポーターと、学校教育課に配置している訪問指導員により、引き続き、市内全小・中学校へ学習支援、教育相談活動、読書活動推進支援及び不登校児童生徒等に対して訪問指導や相談活動など直接的な支援活動を行ってまいります。
 また、市内全小学校におきましては、フッ化物洗口事業を実施し、効果的な歯・口腔の健康づくりに取り組んでまいります。

 教育環境につきましては、情報通信機器を順次整備するとともに、新規事業として市内全小・中学校にミストシャワーを設置し、学習に取り組みやすい教育環境の整備を図ってまいります。

 通学路の安全対策につきましては、通学路における児童生徒の安全確保のため、平成28年度までに順次安全対策を講じてまいります。


○『文化財』の分野について
 国見町神代小路地区の武家屋敷群につきましては、火災や地震といった災害に脆弱な木造建築の町並みであることから防災計画を策定し、災害への体制整備を図ってまいります。
 また、鍋島邸、歴史資料館でのイベントや展示会の開催など施設の更なる有効活用を図り、誘客に努めてまいります。
 なお、ふるさとの歴史について学び、文化財への理解を深めるため歴史講座、史跡めぐりなどの事業を実施するとともに、郷土史会、まちづくり団体と連携した郷土資料の調査、研究に取り組んでまいります。

 神代小路地区街なみ環境整備事業につきましては、平成27年度完成に向け、集会交流施設の改修整備、多目的広場の整備を行い、街なみ景観の形成を図ってまいります。


○『生涯学習・生涯スポーツ』の分野について
 生涯学習につきましては、「市民一人ひとりがいくつになっても自己実現や生きがいづくりに取り組むための、多様な生涯学習プログラムの提供」の充実を図るため、市内公民館、文化会館、図書館などの社会教育施設を拠点に各種生涯学習事業を展開し、自主活動の推進を図るとともに、図書ボランティアと連携し、多くの市民に本と共にある暮らしの推進を図ってまいります。
 また、青少年健全育成協議会や子ども会育成連絡協議会等と連携した事業を展開し、青少年の健全育成の推進はもとより、各種団体及び地域の活性化を図ってまいります。

 文化事業につきましては、自主文化事業振興会と連携し、施設の特性を活かした芸術文化鑑賞の推進や市民の文化関係大会出場への補助金による支援を行います。

 生涯スポーツにつきましては、雲仙市体育協会及び小学生クラブ活動振興会等と連携し、また、スポーツ教室の実施、ラジオ体操の推進、大会出場等への補助によりスポーツの振興を図り、併せて、社会体育施設の適正な管理運営を行います。
 なお、市民運動会につきましては、市制施行10周年記念イベントとして実施することとしており、趣向を凝らしながら多くの市民の皆様に参加していただけるよう準備を進めてまいります。


 以上が、平成27年度の主要な取り組みでございますが、少子化・高齢化の進展による人口減少、長期にわたる景気低迷などにより、地方情勢は厳しい状況が続いておりますが、現在、地方分権が進む中、地方自治体は自らの意思と責任に基づき、地域の特性を活かしながら、まちづくりを進めていくことが求められており、特に、全国的な課題となっている地方創生につきましては、雲仙市の特色を活かした施策に取り組み、その対策を講じていくことの重要性を強く痛感しております。
 そのため、国・県が重要課題と掲げ、対応策を講じる施策は、雲仙市における行財政運営にも大きな影響を及ぼすものであることから、今後におきましても、国・県の動向に注視するとともに、財政基盤の確立を図り、雲仙市の将来像である「豊かな大地・輝く海とふれあう人々で築くたくましい郷土」の実現に向け、「市民が主役」、「市民総参加」を旨として、市の総合計画に基づき各種施策を実施し、課題の一つ一つを着実に解決しながら、また、将来にわたり持続可能な活力あるまちづくりの実現に向け、全力で取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民の皆様に、市政へのご支援とご協力を心からお願い申し上げまして、平成27年度の主な取り組みを踏まえた施政方針といたします。


添付ファイル
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